マネジメント能力とは?構成するスキルと能力を向上させる4つの方法

人材育成・マネジメント

経営者や管理職、管理職を目指す人の中には、部下や自身が成長するためにマネジメント能力を高めたいと考えている人も多いでしょう。

マネジメント能力を向上させるには、マネジメント能力そのものの意味やどのようなスキルで構成されているか、」などを理解し、個人の現状に合わせてスキルを伸ばすことが重要です。

本記事では、管理職の方や管理職になりたいと考えている人に向けて、マネジメント能力の意味や、マネジメント能力を構成する6つのスキル、マネジメント能力を向上させる4つの方法・思考をご紹介しています。

ぜひ記事を最後まで読んでマネジメント能力を高めるヒントを得て、部下や会社を成長させるのに役立ててください。

マネジメント能力とは

マネジメント能力とは、管理する能力を指します。一般的に管理するものは経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を意味しており、マネジメント能力は経営層や管理職に求められるスキルの1つです。

マネジメントの定義や、リーダーシップとの違いなど、マネジメントに関して詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。

マネジメントとは何か?意味や仕事内容、必要なスキルを簡単に解説

マネジメント能力が高い人と低い人の違い

通常、個人の持つマネジメント能力には人それぞれで差があります。では、マネジメント能力の高い人と低い人で、具体的にどのような特徴があるのでしょうか?以下で詳細を確認していきましょう。

マネジメント能力が高い人

マネジメント力が高い人は、次に挙げる特徴を持っていることが多いです。

  • 冷静に判断できる
  • 人望がある
  • 責任感が強い
  • 客観的に観察でき、物事の本質を見抜ける
  • 業務や業務外など、色々な経験を持っている人

マネジメント能力を求められる管理職や経営層は、さまざまな仕事をこなしながら、部下や後輩の仕事にも関わらなければなりません。そのため冷静に状況を把握したり、客観的に物事を考えたりする力が必要です。

また、責任感が強く周囲から人望がある人も、マネジメント能力が高い傾向にあります。

マネジメントの能力が低い人

次に、マネジメント能力が低い人の特徴を確認していきましょう。

  • 洞察力に乏しい
  • 自分の物差しで考えてしまう
  • スケジュール管理ができない
  • 部下に仕事を任せられない

「マネジメント能力=部下を管理する」ことではありません。部下だけでなく、プロジェクトや事業など全体を管理し、業務を遂行するのがマネジメント本来の役割です。部下の特性を見極めて、能力が活かせるように仕事を振り、業務を円滑にするためにスケジュール管理をするのがマネージャーの業務になります。

上記に挙げた特徴に当てはまる人は、マネジメント能力が低いかもしれません。後述するマネジメント能力を向上させる方法・思考を参考にしてスキルアップを図りましょう。

マネジメント能力を構成するスキル

マネジメント能力を構成するスキルは、大きく分けて以下の6つです。

  • 目標設定スキル
  • 管理スキル
  • 意思決定スキル
  • コーチング・コミュニケーションスキル
  • ファシリテーションスキル
  • 問題解決・分析スキル

以下で詳細を解説します。

目標設定スキル

1つ目は目標設定スキルです。目標設定スキルとは、①何を目標に設定すべきか、②いつ達成すべきか、の2点を踏まえ目標設定することを言います。

適切な目標設定は、コストや時間を有効に活用して効率良く成果を達成し、チームのモチベーション維持・向上につながります。目標設定をするときは、全体の目標とチームの目標との関係性をメンバーに分かりやすく伝え、理解を促すことが重要です。

マネージャーとなる人は目指すべきゴールを決め、メンバーに目標を伝えて当事者意識を持たせるスキルを養いましょう。

管理スキル

目標を設定した後に、目標に正しく進んでいるか確認する管理スキルも、マネジメント能力を構成する能力の1つです。

マネージャーは管理スキルを使ってスケジュールなどを定期的にチェックし、進捗管理をすることでプロジェクトや事業を計画通り進むよう調整する役割を担っています。

しかし、管理されることを苦手とする従業員もいれば、管理されなければ実力を発揮できないタイプの従業員もいるので、一人ひとりの特性を見極め管理することがポイントです。

意思決定スキル

3つ目のスキルは意思決定スキルです。マネージャーは仕事柄、判断を下さなければならない場面に多く遭遇するでしょう。メンバーの意見を聴きながら決定するときもあれば、経営層のビジョンに沿って判断するなど、状況に応じてさまざまな意思決定をしなければなりません。

早急な判断が必要な場合に意思決定ができないと業務が滞るため、全体を俯瞰し適切なタイミングで判断するスキルが求められます。

コーチング・コミュニケーションスキル

4つ目は、コーチングスキルとコミュニケーションスキルです。コーチングスキルとコミュニケーションスキルを有効に活用すれば、部下の能力を最大限に引き出せます。

コーチングスキルとは、部下が持つ潜在的な能力を引き出して行動へつなげるよう促すスキルです。一人ひとりの能力を引き出すことでチームのパフォーマンスを向上させ、効率良く業務を進める効果が期待できます。

コミュニケーションスキルは、以下の4つの力を指します。

  • 信頼関係を構築する力
  • 伝える力
  • 聴く力
  • 交渉力

上記の4つを使って部下や同僚たちと円滑なコミュニケーションをとることで、相手の行動力や可能性を引き出すのに役立ちます。

高いコミュニケーションスキルを持っていなければ効果的なコーチングは行えないため、コ―チングスキルとコミュニケーションスキルは連動させながら磨いていくよう意識しましょう。

ファシリテーションスキル

ファシリテーションスキルとは、会議などで意見が言えるような雰囲気を作り、意見の相違による衝突を避けるよう、周囲をコントロールするスキルです。

チームでは多様な意見が出たり、意見を言えない人がいたりします。そこでファシリテーションスキルを使って課題解決の意見を引き出し、まとまるように働きかけるスキルがマネジメントには欠かせません。

問題解決・分析スキル

最後にご紹介するのが問題解決・分析スキルです。問題解決スキルは課題を発見し、適切な方法で解決していく能力を指します。このスキルは問題が起きたときだけでなく、目標達成に向けどう行動すべきかを判断し、チームに指示を出す際に役立つでしょう。

分析スキルは、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)に関する知識をもとに、従業員が持つ個別のスキルやリスクなどを分析する力を指します。

問題解決スキルと分析スキルを使うことで、マネージャーはチームの目標達成を実現させることができるのです。

マネジメント能力を向上させる4つの方法・思考

ここからは、マネジメント能力を向上させる方法や思考を4つ、確認していきましょう。

1.ディズニーストラテジーの視点を持つ

1つ目の方法は、ディズニーストラテジーの視点を持つことです。ディズニーストラテジーとは、次に挙げる3つの視点で構成されています。

夢想家

1つ目は、夢想家の視点です。ディズニーは基本的にこの視点で物事を捉えている人でした。周囲から反対されても、夢やワクワクすることを常に考える人は夢想家の視点を持っていると言えます。

現実家

現実家とは、夢を実現させるためにどうすれば良いか見つめる視点です。実際に夢を叶えるために具体的な戦略を立てるのに役立ちます。

批評家

第三者の立場に立ち、夢を実現させるために客観的な分析を行い、課題を発見して夢を叶えるためにどう解決するか考える視点です。

上記の3つをディズニーストラテジーの視点と言い、特に「批評家」はマネジメント能力の問題解決・分析スキルの向上につながります。

2.ポジションチェンジの思考を活用する

ポジションチェンジ思考を使うのも、マネジメント能力の向上に効果が期待できます。ポジションチェンジとは、人間関係を改善させるのに利用する、神経言語プログラミングのことです。

ポジションチェンジでは、自分の位置、第三者の位置、相手の位置という3つの「知覚位置」という視点を持ちます。ポジションチェンジの思考とは、この3つの立ち位置を活用し、相手の立場に立って考え、自分の立ち位置では見えなかった問題や解決策などを探ることを言います。

多角的に物事を捉えることで、部下や社外の人などを理解し、人間関係を構築したり問題を解決したりするのに役立つスキルです。ファシリテーションスキルやコミュニケーションスキルの向上にもつながるので、ぜひ習得しておきましょう。

3.ペーシング・傾聴を意識する

ペーシングや傾聴も、マネジメント能力を向上させる方法の1つです。ペーシングとは、相手の言語やノンバーバルコミュニケーションに合わせ、安心感や親近感を持たせる方法を言います。ノンバーバルとは、非言語という意味があり、ノンバーバルコミュニケーションは声の抑揚や香り、身振り手振りを意味します。

傾聴とは、相手の言葉に意識を集中させ、理解しようとすることです。傾聴の方法として、相手の言葉を繰り返す「バックトラック」があります。

傾聴やコミュニケーションを円滑にするためにはアクノレッジメントが有効です。アクノレッジメントとは、「相手の成果や成長といった変化を察知し、相手に伝えて、相手の存在を認めていると示す」ことを言います。

ペーシングや傾聴をコミュニケーションに取り入れて部下に親近感を抱いてもらうことで、「この上司は自分を理解してくれる」と感じ、本音を引き出しやすくなるでしょう。

ペーシングや傾聴を習得すれば、コーチング・コミュニケーションスキル、ファシリテーションスキルといったマネジメント能力の向上につながります。

4.スケジュール把握を意識する

マネジメント能力を構成するものの1つに、管理スキルがあると前述しました。管理スキルを向上させるには、スケジュールを把握して現状を理解する力を養うことが有効です。

スケジュールを管理・把握するには、以下のスキルを身に付けましょう。

  • やるべきことを把握する
  • 優先順位をつける
  • 時間を正しく見積もる

これらのスキルを習得するには、作業時間を計算し空白の時間も考慮することや、アイゼンハワー・マトリクスの活用がおすすめです。

アイゼンハワー・マトリクスとは、①重要かつ緊急、②重要かつ緊急ではないもの、③重要ではないが緊急、④重要ではなく、緊急でもないものの4つに優先順位を分ける作業で、適切にスケジュールを把握・管理するために欠かせません。

日ごろからスケジュールを把握して、管理スキルをアップさせるよう意識しましょう。

マネジメント能力の向上に役立つ資格

マネジメント能力を向上させる思考や方法を前述しましたが、マネジメント能力を上げる資格があるのをご存知でしょうか。

本章ではマネジメント能力を向上させる資格を3つピックアップしたので、以下で詳しく確認していきましょう。

ビジネスマネジャー検定

ビジネスマネジャー検定は、東京商工会議所が主催する検定です。ビジネスマネジャーとは中間管理職を指し、ビジネスマネジャー検定はマネジメントの知識をどれだけ理解しているかを測ります。

検定で問われる知識は、次の4つです。

  • マネジャーの役割と心構え
  • 人と組織のマネジメント
  • 業務のマネジメント
  • リスクのマネジメント

検定に挑むことでマネジメント能力を底上げし、人材育成に役立てられるでしょう。ビジネスマネジャー検定は新任管理職やこれから管理職を目指すリーダー社員におすすめの検定です。

PMP

PMP(プロジェクト・マネジメント・プロフェッショナル)とは、マネジメントスキルや知識を測る国際資格を言います。アメリカの本部が運営していますが、日本でも知名度が高く、資格を取得すればマネジメントのプロであるという証明に役立ちます。

PMP検定の流れは以下の通りです。

  • PMIサイトでアカウント発行
  • 職務履歴書など申請書を作成
  • プロジェクトマネジメント研修を35時間受講
  • PMIによる申請書類のレビューを受ける
  • 受験料を支払い検定を受ける

PMPも前述したビジネスマネジャー検定と同様、新任管理職や管理職を目指すリーダー社員向けの検定です。

経営学検定試験(マネジメント検定)上級

経営学検定とは、全国規模で実施される検定試験で下記の水準を測るためのものです。

  • マネジメントに関する基礎的
  • マネジメントに関する専門的知識
  • 経営管理能力
  • 問題解決能力

経営学検定には初級、中級、上級の3つがあり、初級は大学2〜3年生の経営学知識と同等ですが、上級になるとMBAレベルの知識力が求められます。そのため、上級は経営層の役員や次世代の経営者を目指す上級管理者向けの検定と言えるでしょう。

マネジメント能力に関するまとめ

今回の記事ではマネジメント能力の意味や、マネジメント能力の高い人・低い人の特徴、マネジメント能力を構成するスキルなどをお伝えしました。

マネジメント能力の向上は、管理職を目指す人や管理職の立場である人には必須の要件です。マネジメント能力が何かを正しく理解して、自身を振り返って足りないスキルを洗い出すことから始めましょう。

足りないスキルが判明したら、今回の記事でご紹介したディズニーストラテジーの視点を持ったり、ペーシングや傾聴を取り入れたりして、マネジメント能力の向上へつなげてください。

マネジメント能力はすぐに身に付くものではありません。時間をかけながらスキルを磨き、5年後、10年後に自身が目標とする管理職になれるよう、切磋琢磨していくことが大切です。