適性検査とは、基礎学力やパーソナリティを客観的に判断するための検査をいいます。採用活動を中心に、配属の検討や人事評価の補助ツールとしても活用されています。
本記事では企業の人事担当者向けに、適性検査の概要や、人気の適性検査の種類、導入時の注意点についてまとめました。
Contents
適性検査とは
適性検査とは、人物の能力や性格といったいくつかの要素を、数値として定量的に測定するための検査をいいます。主に就職活動で導入されており、採用の判断基準として用いられます。適性検査には、能力を図るための学力試験や、コミュニケーション能力やストレス耐性などを図る検査があります。
能力検査
能力検査では、その人の知的能力を図ります。基礎学力や一般教養をテーマとした試験のほか、論理的思考力や一般常識を問うものもあります。
性格検査
性格検査では、ストレス耐性やコミュニケーション能力といった、本来では目には見えないパーソナリティの部分を図ります。主体性や忍耐力など、いくつかの要素を定量化することで、職業への適性を図る判断材料とします。
適性検査の実施状況やとトレンド
採用の多くのシーンで、適性検査は導入されています。DODAの調査によれば、中途採用において、「性格適性検査+能力適性検査」を実施する求人が59%、「性格適性検査」が24%、「能力適性検査」が10%となっており、適性検査が合否の判断基準に使われていることがわかります。
また、リクルートマネジメントソリューションズの調査によれば、筆記試験や適性検査を実施する企業の割合は8割を超えており、採用において面接と同様に普及しているものといっていいでしょう。
とりわけ、技術系の専門職では、筆記試験として適性検査が多く取り入れられています。以下に、昨今の適性検査のトレンドを紹介します。
人気の適性検査は「SPI」と「玉手箱」
適性検査にはさまざまな種類がありますが、その中でも導入件数が多いといわれているのが「SPI」と「玉手箱」です。
SPIとは、リクルートマネジメントソリューションが開発した適性検査です。性格特性や基礎的な知的能力を測定する検査であり、候補者の性格や仕事への適性などを判断する目的で使われます。
SPIの内容は、働く上で必要となる知的能力を測る「能力検査」と、候補者の人となりを把握するための「性格検査」が含まれています。応募先の企業だけではなく、WEBテストやテストセンターでの受験にも対応しています。
玉手箱は、日本エス・エイチ・エルが開発した適性検査です。玉手箱I Ver.2は、主に新卒採用向けに開発されており、「ヴァイタリティ」「プレッシャーへの耐力」など職務を遂行する上で重要な9つの能力特性について、予測値と面接時のチェックポイントを出力します。
一方、応募者を「知的能力」と「パーソナリティ」の両面から測定する総合適性診断システムである玉手箱IIIもあります。
適性検査のトレンド
ひと昔前は、筆記試験のような知力や一般教養を図る適性検査が主流でしたが、昨今では目には見えない性格特性などを定量的に図れる適性検査が広がっています。具体的には、誠実さや忍耐心、リーダーシップ、コミュニケーション能力といったいわゆる非認知能力を図るテストが該当します。
性格特性は、候補者がどのような仕事やどのような組織に適しているかを判断する際に使われます。採用した人材が早期離職してしまう場合、組織の問題以外に、本人の特性と組織の相性が合わなかったという点が考えられます。また、事前に本人の非認知能力が可視化されていれば、人材育成計画を立てる際にも活用できます。
新卒と中途採用における適性検査の違い
適性検査は、新卒採用、中途採用の双方で取り入れられています。
新卒採用では、主に候補者の潜在能力を図る目的で使用されます。また一般教養や基礎学力を測定するのにも適しています。一方、中途採用では専門スキルや知識を図る目的のほか、職場とのミスマッチを避ける目的で用いられることが少なくありません。
そのため、能力試験ではなく、性格検査のみを導入する企業も多く見られます。
適性検査の目的
適性検査は採用で用いられますが、具体的にはどのような目的で使用されているのでしょうか。
人物特性の可視化
「まじめな人」「忍耐力がある」といった、候補者への印象は本来主観的なものです。そこを、適性検査で定量的に分析することで、人物特性を面接官同士で共有できます。さらに、他の候補者との比較も容易になるでしょう。
基礎能力の数値化
言語能力や計算能力といった基礎能力を数値化し、業務への適性を判断することができます。また、全国レベルで候補者の基礎力を図ることが可能です。
ミスマッチを防ぐ
採用のミスマッチ防止は、企業にとって大きな課題です。事前に適性検査で組織や職種への適応度合いを可視化し、配属などの判断材料とすることができます。
適性検査の主な活用シーン7選
適性検査は、採用のほかさまざまなシーンで活用されています。企業で用いられる代表的な活用方法について解説します。
1.採用活動
採用活動では、候補者の基礎学力・一般教養などの測定のほか、人なりを可視化する目的で用いられます。職種への適性、組織との相性を図り、採用のミスマッチを防ぐと共に、採用の合否を決める判断基準となります。
2.配属先や人事配置の検討
入社後も、ミスマッチを防ぐことは重要です。社員の適性を改めて把握することで、適材適所の人事配置を実現できます。
3.昇格・昇進候補の検討
昇給や昇進の検討の際にも適性検査は用いられています。たとえば、優秀なプレイヤーであったとしても、管理職としての資質に優れているかはわかりません。適性検査を用いれば、管理職に求められるコミュニケーション能力やマネジメント能力を定量的に図ることが可能です。
4.職務分析
適性検査を職務分析に活用した場合、職種別の必要な特性を可視化できます。適性検査を用いて、人材の適切な職種・業務を把握するのに役立ちます。
5.退職要因の分析
適性検査の結果を退職理由の分析に活用するケースもあります。たとえば、若手の退職者の結果から、割合の多い特性を把握できれば、「組織に適していないタイプ」を分析することが可能です。
6.人事評価
適性検査は、人事評価の補助ツールとしても活用できます。人事評価に加え、適性検査で性格特性を把握し、その人のキャリアの伸ばし方や、適したフィードバックの仕方を検討できます。
7.タレントマネジメント
タレントマネジメントとは、社員が持っている能力を可視化し、戦略的人材配置や能力開発を行うことで人材の最適化を図ることをいいます。適性検査の結果を一括で管理すれば、タレントマネジメントに役立てることができます。
適性検査のテスト形式
適性検査の受験形式には、下記のものがあります。
WEB受験
WEB受験では、受験者がオンラインで適性検査を受験します。受験場所は、自社や企業で用意した会場を設定するほか、受験者が自宅で受けるように設定することもできます。受験場所がフレキシブルに選択できるという点がWEB受験のメリットです。自宅受験のように、移動の負担がない形式であれば、適性検査の受験率向上を期待できます。
結果は企業に送信されます。結果の分析や確認もシステムと連携されるためスムーズです。WEB受験の場合、とくに自宅受験では受験中の様子を監視できないため、代理受験のような不正行為が行われる可能性に留意が必要です。
紙受験
紙受験では、マークシートを用いた形式が一般的です。紙試験のメリットは、試験会場に集まりアナログ形式で回答するため、不正行為のリスクを抑えられるという点です。ただし、試験会場への移動の負担があるほか、集計や採点の負荷もかかります。
テストセンター受験
テストセンター受験では、指定されたテストセンターに集まり、受験者がオンラインで受験します。自宅での受験とは異なり、監視員がいる点が特徴です。企業にとっては、会場を改めて設定する手間が防げるほか、ローコストで行えます。
適性検査の種類一覧・比較表
企業でよく使用される適性検査は、それぞれに特徴があります。人気のある25種類をピックアップしました。
名前 | テスト形式 | 用途 | 測定内容 |
---|---|---|---|
SPI3 | Webマークシート | 採用 (新卒・中途・高卒) | 能力・職務や組織への適応のしやすさ 性格特徴 |
玉手箱Ⅲ | Webテスト | 採用 (新卒・中途) | 知的能力パーソナリティ |
GAB | マークシート/Webテスト | 採用(新卒、とくに総合職) | 言語理解、パーソナリティ等 |
CAB | マークシート | IT職の採用、職務適性 | 安産、命令票、暗号等、パーソナリティ |
OPQ | マークシート | パーソナリティ検査 | パーソナリティ |
OAB | マークシート | 事務職の採用、職務適性 | 事務操作能力、注意能力、パーソナリティ |
DPI | ペーパーシート/Webテスト | 採用(新卒・中途・アルバイト) 配置転換、評価、タレントマネジメント | 能力、パーソナリティ、職業特性 |
TG-WEB | ペーパーシート/WEBテスト | 採用(新卒・中途) | 興味、志向、パーソナリティ |
アドバンテッジインサイト | マークシート/Webテスト | 採用(新卒)、内定者フォロー | ストレス耐性 |
TAL | 36問選択式 | 採用(新卒・中途・障害者) | 非認知能力(コミュニケーション能力、責任感、積極性等) |
SCOA(スコア) | マークシート/テストセンター | 採用(新卒・中途) | 基礎能力・パーソナリティ |
TAP(タップ) | ペーパーテスト/Webテスト | 採用(新卒・中途) | 能力、パーソナリティ、職業適性 |
CUBIC(キュービック) | ペーパーテスト/Webテスト | 採用(新卒・中途)、評価、配置転換 | 能力、パーソナリティ、職業適性 |
適性検査eF-1G | ペーパーテスト/Webテスト | 採用(新卒・中途)、評価、配置転換 | 能力、パーソナリティ |
3E-i知的能力テスト | マークシート/Webテスト | 採用(新卒・中途)、評価、配置転換 | 知能 |
BRIDGE(ブリッジ) | マークシート/Webテスト | 採用(新卒・中途) | ポータブルスキル、モチベーションタイプ、ポテンシャル |
Compass(コンパス) | ペーパーテスト/Webテスト | 採用(新卒・中途・アルバイト)、評価、配置転換 | 興味、志向、パーソナリティ、職業適性、ストレス耐性 |
CPAG | マークシート/Webテスト | 採用(新卒) | ポテンシャル・モチベーション |
HCi-ab | ペーパーテスト/Webテスト | 採用(新卒・中途) | 言語・数理・時事分野 |
NMAT | ペーパーテスト | 管理職の昇進・昇格 | 基礎能力、性格適性、志向 |
JMAT | ペーパーテスト | 中堅社員のアセスメント | 基礎能力、性格適性、志向 |
内田クレペリン精神検査 | ペーパーテスト | 配置・採用・安全管理 | 能力・性格・行動面の特徴 |
mitsucari適性検査 | Webテスト | 採用、配属、評価、社員能力把握 | 能力、パーソナリティ、職業適性 |
GROW360 | Webテスト | 採用、研修、社内評価 | 気質コンピテンシースキルバイアス |
pymetrics | Webテスト | ジョブマッチング | 認知・感情機能 |
主な適正検査の種類と内容
紹介した25種類のなかから、特に人気のある適性検査について具体的に紹介します。
SPI3
SPI3は、日本で最も利用されている適性検査です。大手企業だけではなく、中小企業でも広く活用されています。検査報告書のわかりやすさも人気の理由です。
導入企業 | 株式会社リクルートマネジメントソリューションズ |
---|---|
テスト形式 | ・テストセンター ・ペーパーテスト ・WEBテスト ・インハウス(自社パソコン) |
所要時間 | ・テストセンター65分(能力検査35分・性格検査30分) ・ペーパーテスト110分(能力検査70分・性格検査40分) ・WEBテスト65分(能力検査35分・性格検査30分) |
費用 | ・初期費用0円 ・大卒採用の場合:実施1名ごと5,500円, 10名で55,000円 ・中途採用の場合:実施1名ごと4,000円, 5名で20,000円 |
用途 | 採用(新卒・中途・高卒) |
測定内容 | 職務適応性、組織適応性から診断 |
内田クレペリン検査
内田クレペリン検査は簡単な一桁の足し算を連続して行う検査です。言葉の制約を受けないことから、昨今では外国人を採用する場合にも活用されています。
導入企業 | 株式会社日本・精神技術研究所 |
---|---|
テスト形式 | ペーパーテスト |
所要時間 | 約50分 |
費用 | ・検査用紙 1セット(10枚)1,100円※10枚単位で販売 ・個別診断的判定 2,420円 ・個別診断的判定(曲線類型判定のみ)770円 ほか ※税込 |
用途 | 採用(新卒・中途)・配置・メンタルヘルス・外国人の採用 |
測定内容 | 能力面の特徴・性格、行動面の特徴 |
玉手箱Ⅲ
玉手箱Ⅲは入社時に見ておくべき「ヴァイタリティ」「チームワーク」などの9特性のフォーマットで報告されるテストです。主に、母集団形成や初期選考時に活用されています。
導入企業 | 日本エス・エイチ・エル株式会社 |
---|---|
テスト形式 | ・Webテスト ・マークシート ・テストセンター |
所要時間 | 49分 |
費用 | ・年間利用料1,200,000円〜2,500,000円 ・受験料500円〜1,000円 ※税別 |
用途 | 採用(大卒) |
測定内容 | 知的能力(計数・言語・英語)、パーソナリティ(バイタリティ・チームワークなどの9つの特性から診断) |
CAB
CABはSEやプログラマーなどのIT職の適性検査で利用されます。将来のマネジメント適性や、「営業」「研究/開発」などの職務適性について見ることができます。。
導入企業 | 日本エス・エイチ・エル株式会社 |
---|---|
テスト形式 | ・Webテスト ・マークシート |
所要時間 | ・Webテスト 72分 ・マークシート 95分 |
費用 | ・Webテスト:年間利用料30,000円、受検料3,000円 ・マークシート:問題冊子価格600円、採点処理価格3,500円 |
用途 | 採用(大卒のコンピュータ職) |
測定内容 | 暗算・法則性・命令表・暗号・パーソナリティ(OPQ) |
GAB
GABは新卒総合職の適性を見極める目的で開発された検査です。CABと同様に、言語と計数の知的能力やパーソナリティの測定結果のほか、ヴァイタリティとチームワークなど計9項目の特性、将来のマネジメント適性高い知能を必要とする業界の採用試験に広く導入されています。
導入企業 | 日本エス・エイチ・エル株式会社 |
---|---|
テスト形式 | ・Webテスト ・マークシート |
所要時間 | ・WEBテスト80分 ・マークシート90分 |
費用 | ・Webテスト:年間利用料1,200,000円〜2,500,000円、受検料500円〜1,000円 ・マークシート:問題冊子価格600円、採点処理価格3,500円 |
用途 | 採用(大卒・短大卒の総合職) |
測定内容 | 言語理解・計数理解・パーソナリティ |
Compass
Compassは基礎能力のほか、対人コミュニケーションやストレス耐性、抑うつ傾向なども把握できる適性検査です。
導入企業 | 株式会社イング |
---|---|
テスト形式 | ・Webテスト ・ペーパーテスト |
所要時間 | 20分 |
費用 | ・通常プラン2,000円/人 ・半額プラン1,000円/人(基本料 100,000円/年) ※税別 |
用途 | 採用(新卒・中途) |
測定内容 | ・基礎能力(言語・数理・英語・論理的思考力) ・行動予測・対人関係スタイル・ストレス耐性 |
CUBIC
CUBICは基礎学力について、学校で習得した内容を広くカバーしており、本人の地頭や論理力を含めた基礎能力を測定するのに適した検査です。業界問わず、多くの企業で活用されています。
導入企業 | 株式会社CUBIC |
---|---|
テスト形式 | ・Webテスト ・ペーパーテスト |
所要時間 | 20分〜 |
費用 | 紙受験1,400円〜/人 Webテスト2,000円〜 ※税別 |
用途 | 採用選考・人事異動・人材開発・組織活性化 |
測定内容 | 知的能力・性格適性・ストレス耐性・カルチャーフィット・職種適性など |
適性検査の実施タイミング
適性検査を実施するタイミングは、目的とあわせて選ぶ必要があります。主な実施タイミングと、そのタイミングで実施することのメリット・デメリットを紹介します。
書類選考時
書類選考時に実施する適性検査は、母集団のなかから一定ラインを超えた求職者を見極める目的で活用できます。とくに、エントリー人数が多い選考で適しています。適性検査の結果を元に、求める素質や基礎学力を選考通過の判断基準とします。
自社の選考基準に合わせて、候補者を一定数に絞り、選考を効率的に行えるメリットがあります。一方、適性検査の結果のみで書類選考を行う場合、自社に望ましい人材がもれてしまう可能性もあります。また、適性検査の受験料が高額になる点も注意が必要です。
面接時
面接の適性検査は、候補者の見極めに活用します。面接と適性検査の両方を実施すれば、多くの情報をもとに合否を検討できる点がメリットです。また、面接と同日にテストを受験できる場合、候補者は来社が1回で済み、スムーズな採用スケジュールを実現できます。
ただし、候補者の拘束時間が長くなると、入社意欲に影響を与える恐れがあります。
面接通過後
一次面接や二次面接の通過後に実施する適性検査も、面接時と同様に候補者の見極めに活用します。面接時とは異なり、候補者が絞られているため、受験料のコストを抑えることが可能です。
面接通過後の適性検査は、候補者にとってはさらなるステップです。モチベーション向上が期待できる一方、選考段階が多くなってしまう場合には、WEB受験のように、候補者に負担の少ない方法を検討しましょう。また、適性検査の実施から結果の連絡がスムーズに行えるようスケジュールを調整することが重要です。
最終面接後
最終面接の適性検査は、候補者の見極めだけではなく、配属や職務適性を図る意図で用いられます。受験者数が限られているため、コストを押さえつつ、自社に最適な適性検査を導入できる点がメリットです。
合格基準のライン上にいる候補者の見極めにも適しています。ただし、最終面接後の適性検査で不合格となった場合、候補者が納得できるようなフィードバックが求められます。
適性検査の選び方
適性検査を選ぶ際には、以下のポイントに注意してみましょう。
費用
検査によって料金体系が異なります。多くの企業は、受験者につきいくらかかる設定となっており、費用は受験者数が増えるほど高くなると考えていいでしょう。適性検査の実施段階と踏まえて、コストパフォーマンスを考えましょう。
テスト形式や所要時間
テスト形式や所用時間では、受験者の負担を考えることが重要です。何度も来社したり、テストの所要時間が長くなっていては、面接辞退(受験辞退)のリスクが高くなります。
検査内容
検査によって、職務適性や基礎学力、パーソナリティなど定量化できる要素が異なります。自社の採用基準に適した内容を把握できるのかを検討しましょう。どのようなデータが必要となるのか、活用方法や活用事例についてサービス提供会社に相談してみるのもいいでしょう。
適性検査を導入する際の注意点
適性検査を導入する際には、以下の点に注意しましょう。
検査結果はあくまで補助
適性検査は採用の合否を決定する際の基準となりますが、あくまで補助材料であることを理解したうえで活用しましょう。定量的かつ客観的なデータですが、候補者その人のすべてを表しているわけではありません。結果を過信せず、面接の評価などと合わせ判断することが重要です。
選考通過基準や自社の適正を設定する
適性検査を有効に活用するには、自社の採用基準を明確にしておくことも重要です。採用の要件を定義した上で、合格基準となるボーダーラインを設定しましょう。
不正行為の対策も行う
替え玉受験は、他のディバイスでの回答検索など、適性検査には不正行為のリスクがあります。昨今では、受験生の回答に矛盾がないかを指摘したり、AI監視が導入されている適性検査もあります。適性検査を導入する際は、不正行為対策について確認してみましょう。
適性検査に関するまとめ
適性検査は、候補者のパーソナリティや能力適性など、面談では見れない部分を定量的に可視化する点で、採用をはじめさまざまなシーンで活用されています。たくさんの母集団の中から自社に合った人材を見極めるために活用したり、自社社員の人材育成計画に活かしたりと、活用方法は多様です。適性検査ごとの特徴を知り、自社の目的にあった検査を選びましょう。