リスキリングで何を学ぶべき?人気スキル5選とおすすめサービス

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変化の激しい現代ではリスキリングを通してスキルを獲得し、業務に対応する必要性が高まりました。「教育体制が整備されていない」「研修を行っても効果がない」という悩みがある方は、リスキリングの導入がおすすめです。

学習の場を提供・資格取得を目指すだけで業務に結びつかなければ、リスキリングとは呼べません。今回の記事では、リスキリングで学ぶべき項目や仕事に役立つ資格などをメインにお伝えします。

どのスキルが社内に必要か検討する際のヒントに役立ててください。

リスキリングが注目されている理由

リスキリングとは、将来業務で必要となるスキルを再教育して習得させることを言います。離職は前提となっておらず、在籍したまま学習するのが大きな特徴です。リスキリングが注目されている理由として、主に次の2つが挙げられます。

  • DX化の推進に携わる人材を育成するため
  • 多様化する働き方に応えるため

DX推進に伴い、デジタル人材が不足しています。AIやテクノロジーを活用したサービス・商品を生み出し、世間に新たな価値を提供できる人材の確保は、企業の重要な課題です。学生時代に習得したスキルだけでは、これからの企業を支えられなくなりました。また、働き方が多様化し、既存の方法で業務を遂行することが困難です。スキルを習得し、柔軟に変化へ適応できる人材が必要となり、リスキリングが注目されています。

リスキリングとは?DX人材の育成に必要な理由と導入ポイントを解説

日本企業におけるリスキリングの実施状況

新人研修もリスキリングの代表的な研修の1つです。株式会社manebiが2022年1月に実施したアンケート調査によると、オ_ンライン研修での実施が半数近くを占めています。主な研修方法は以下の通りでした。

参考:プレスリリース「株式会社manebi〜2022年新卒採用、新入社員研修の動向調査〜」

  • グループワーク・ディスカッション:47%
  • eラーニング:45.7%
  • 1 on1:37.2%

新型コロナウイルスの影響もあり、オンラインを主流にした研修は今後も普及していくと考えられます。

8割以上の20代がリスキリングを希望

Re就活を運営している株式会社学情が216人を対象にリスキリングに関する調査をしたところ、「取り組みたい」「どちらかと言うと取り組みたい」と回答した人が全体の80.1%を占めました。

参考:株式会社学情

また、身に付けたいスキルの上位は「プログラミングスキル」、活用したいのは「社内の研修制度」という結果です。DX化や新型コロナウイルスの影響でテレワークが普及したことにより、リスキリングへの関心が高まったと推察できます。

リスキリングで何を学ぶべき?

引き続き「Re就活」へのサイト来訪者を対象に、株式会社学情が行ったアンケート結果をご紹介します。リスキリングで身に付けたいスキルの上位は、下記の図の通りです。

参考:株式会社学情

「プログラミングスキル」が56.6%、「マーケティング」「ID・DX・AI関連スキル」は54.3%と、主にデジタルスキルが上位にランクインしています。本章では、リスキリングで人気のスキルを5つに厳選し、ご紹介します。

1.プログラミングなどITスキル

1つ目は、DXやAI関連のスキルです。リスキリングが注目されている主な理由がDX推進であり、ITスキルも同じく人気を集めています。

ITスキルの代表的なものであるプログラミングスキルを習得すると、ロジカルシンキングや課題解決能力などの力が身に付き、業務でトラブルが起きた際もスムーズに解決策を打ち出せます。業務遂行にあたっても、効率の良い方法を模索し、試行錯誤を繰り返すことができるので、新たな業務へ取り組む時間が生まれ、さまざまな経験を積めるでしょう。

2.マーケティングスキル

マーケティングスキルのうち、特にデジタルマーケティングが今後は大いに役立つでしょう。インターネットが浸透し、スマホを保有する人が増えて、SNSやメール、インターネットを活用したデジタルマーケティングは重要なマーケティング手法です。

デジタルマーケティングを学ぶことで顧客心理を理解でき、どうやって商品やサービスを売ればいいのかデータ分析をする力が養われます。また、顧客に伝える方法も学習するので、効率的に収益を伸ばす能力も身に付くでしょう。

3.データ分析

株式会社manebiが調査したアンケートによると、企業が実施しているリスキリングの学習分野は「データ分析」に関するものが1位でした。

参考:マイナビニュース:株式会社manebi~5割の企業がリスキリング実施、人気は「セキュリティ」と「データ分析」~

データ分析は収集したデータを整理・加工し、数値から情報を読み取って活用するスキルです。近年では、多様なシステムが開発され、膨大なデータが日々蓄積されています。しかし、データの整理をしてビジネスに活用できている企業は多くありません。ビジネスのスピードが速いため、収集したデータを分析して活かせる人材は貴重と言えるでしょう。

データ分析スキルを学ぶことで、客観的な事実にもとづいた思考が身につき、先入観を捨てて物事を冷静に見極める力が得られます。また、データから消費者のニーズをつかみ、一人ひとりに適したマーケティングの実現が可能です。

4.コミュニケーション分野

コミュニケーション力は採用で重視される項目であり、管理職やリーダーにとって必須スキルの1つです。テレワークの導入が進み、対面に留まらず、オンラインでのコミュニケーションスキルも求められています。

コミュニケーションスキルを獲得すると、チームのメンバーと円滑に業務を進め、良好な人間関係の構築に効果的です。

5.英語

グローバル化によって英語の重要性は高まっているものの、多忙などを理由に挙げ、英語を習得できずにいるビジネスパーソンは少なくありません。リスキリングで英語を習得できれば、海外勤務という選択肢が生まれ、自身のキャリアにとって大きなプラスとなるでしょう。

リスキリングに使えるIT系の資格

ここからは、リスキリングで人気のITスキルにつながる資格を紹介します。資格取得はリスキリングの手段の一つです。得た資格をどのように業務へ活用するか考えたうえで、資格取得を目指し、合格をゴールに定めないようにしましょう。

ITパスポート

IT系の資格の代表的なもので、国家資格に分類されます。ITパスポートは情報処理の資格では入門に位置づけられており、今後ステップアップしていくきっかけになるでしょう。情報社会を生きる上で必要な基本知識の習得が可能です。

MOS

Microsoft Office Specialistの略で、マイクロソフトが開発したWordやExcelといったツールの習熟度をはかる試験です。スペシャリストとエキスパートの2つに分けられ、独学での合格も目指せます。MOSに受かれば、実用的なパソコンスキルを習得している証明になるでしょう。

VBAエキスパート

MOSがオフィスソフトを使える証明であるのに対し、VBAエキスパートはExcelやAccessといったVBAに関する資格で、MOSよりも難易度は高いのが特徴です。取得には1か月~3か
月ほどが目安となります。

BIツール Tableau認定資格

BIとはBusiness Intelligence Toolを意味し、基幹システムなどの「データ分析」「可視化」を行うものです。このツールはエンジニアや営業がデータを分析しマーケティングをするのに役立ちます。Tableauには「Tableau Desktop Specialist」「Tableau Certified Data Analyst」「Tableau Server Certified Associate」「Tableau Certified Associate Consultant」「Tableau Certified Associate Architect」の5つです。

AWS認定資格

AWS(Amazon Web Services)は、ベーシック(基礎レベル)、アソシエイトレベル、プロフェッショナルレベル、専門知識認定で構成されている試験です。Amazonが提供しているサービスの知識、スキルを保有している証明になります。AWSでアプリ開発するエンジニアなどに役立つ資格の1つです。

リスキリングにおすすめのサービス

リスキリングを従業員個人が行うと継続が難しく、挫折につながりやすいです。また、ノウハウがない状態で取り組んでも、上手く運用できない可能性があります。外部機関が提供するサービスを活用して、リスキリングに取り組むのもおすすめの手法です。ここからは、代表的なサービスを3つ解説します。

Aidemy

引用元:Aidemy

AidemyはAIスキルの習得に効果的なプログラムスクールで、Freeプランでは無料で学べるため、個人での利用もしやすいのが特徴です。プログラミングをはじめ、データ分析、E資格取得の勉強をしたい人におすすめします。

insource

引用元:insource

リスキリング研修として、DX教育やマインド作り、実務の再学習といった教育プログラムが準備されています。また、Python講座も実施しており、受講者にあわせたカリキュラムの選択が可能です。

日本リスキリングコンソーシアム

引用元:日本リスキリングコンソーシアム

日本リスキリングコンソーシアムは民間企業をはじめ、国・地方自治体が一環となって性別や居住エリアに関わりなくリスキリングに取り組めるサービスです。2022年現在、講座は200以上あり、デジタル技術や、マーケティング、学校教育など幅広く、就業支援サービスも受けられます。

まとめ

リスキリングで従業員一人ひとりの能力が伸びれば、DX推進や多様性に富んだ働き方に適応可能となります。変化のスピードが激しい近年では、学校で学んだ知識を定年まで活用し続けるのは難しいでしょう。

情報や価値観は日々変わると理解し、時代にマッチできるよう従業員と企業も成長していかなくてはなりません。

今回の記事が、リスキリングを導入するきっかけになれば幸いです。