エンジニア採用の募集を出しても「応募者が集まらない」「求めている人材からの応募がない」という悩みを抱える企業は多いでしょう。自社に適した方法で採用活動を進めて人材を確保するために、まずはどのような採用方法があるのか、概要を理解することが大切です。
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採用方法10つ
この記事ではエンジニア採用に悩む担当者向けに、代表的な10つの採用方法とそれぞれの特徴、メリット・デメリットをお伝えします。
採用方法の基本を押さえ複数の手法を組み合わせ、求職者へアプローチする窓口を増やして効率良く採用活動を進めましょう。
1.求人媒体に掲載する
代表的な採用方法の1つ目は、求人媒体に広告を掲載することです。求人媒体は大きく分けて掲載広告型課金と成功報酬型課金の2つがあります。
掲載広告型課金は採用人数に関わらず、求人を掲載する段階で費用が発生する仕組みです。一方、成功報酬型課金は応募数や採用が決定した人数によって報酬を支払う仕組みになっています。求人媒体はハローワーク、求人サイト、紙媒体(折り込みチラシ、求人情報誌)の3つの方法が一般的です。
求人媒体のメリット
求人媒体のメリットとして、次の4点が挙げられます。
- 転職潜在層など幅広い層にアピールできる
- 紙媒体であれば特定の地域や読者に限定して求人広告を出せる
- 採用ニーズごとにプランを選べる
- ハローワークであれば料金がかからない
全国向けの求人媒体であれば、人々の目に触れる機会が増えるため自社を知らない求職者や、転職潜在層などにも認知してもらえる確率が高まります。また、特定の地域や業種に特化した求人媒体を利用することで、求職者にピンポイントで広告を発信することも可能です。
求人媒体のデメリット
求人媒体のデメリットは以下の通りです。
- 採用にいたらなくても費用が発生することがある
- 紙の求人情報誌は載せられる内容が少ない
Webの掲載広告型課金や紙媒体の活用では、採用人数ではなく利用するプランによって料金が決定するため、採用人数によっては採用コストが割高となる可能性があります。
2.人材紹介・転職エージェントに依頼する
自社と求職者双方の要望にマッチした人材を探して紹介してくれるのが、人材紹介・転職エージェントです。利用するエージェントによっては、面接日の調整や求職者とのやり取りなどを代行してくれるケースもあります。
人材紹介のメリット
人材紹介のメリットは主に、下記の2つです。
- 成功報酬型なので初期費用がいらない
- 採用業務の工数が削減できる
人材紹介会社が企業に代わって求職者に対し、応募や面接、選考などの調整や連絡などを行ってくれます。企業の採用活動の業務負担が減るのは、人材紹介を利用する大きなメリットと言えるでしょう。
人材紹介のデメリット
人材紹介のデメリットとして、以下の2つが挙げられます。
- 1人あたりの採用コストが割高になりがち
- 採用ノウハウが蓄積されない
人材紹介は初期費用が発生しない代わりに、採用した人材の年収およそ20〜35%の成功報酬が発生する仕組みで、採用コストが高くなりやすいです。また、求職者の選定や採用活動の代行などを自社で行わないため、採用に関するノウハウが構築されない点もデメリットと言えるでしょう。
3.ダイレクトリクルーティングを活用する
ダイレクトリクルーティングとは、求職者からの応募を待つのではなく、企業が直接求職者へアプローチする採用方法のことです。人手不足が深刻となり少ない求職者を数多くの企業が獲り合う状態となった近年では、ダイレクトリクルーティングによって積極的に人材に接触する方法が注目されています。
ダイレクトリクルーティングのメリット
ダイレクトリクルーティングのメリットは、大きく分けて下記の3つです。
- ミスマッチ防止に役立つ
- 転職潜在層にも接触が可能
- 採用力を鍛えることができる
自社にマッチしそうな人材に接触するので、入社後のミスマッチを防止する効果が期待できます。また、自社でPDCAを回しながら採用戦略を練ってアプローチしていくので、自社の採用力アップにもつながるでしょう。
ダイレクトリクルーティングのデメリット
ダイレクトリクルーティングは求職者へ担当者が直接接触する採用方法であり、次のようなデメリットが発生しやすいです。
- 採用成功までに時間がかかる
- 採用担当者の負担が増える
- 利用する方法によっては求人媒体並みの採用コストが必要になることがある
試行錯誤を繰り返して自社の採用ノウハウを構築するため、ダイレクトリクルーティングを開始した段階では成功につながらないケースも少なくありません。効果が出るまでに一定の時間が必要となり業務工数も増えるため、採用担当者に負荷がかかる点がデメリットと言えます。
4.人材派遣会社に依頼する
短期的に即戦力を確保したい場合は派遣スタッフに来てもらうのも有効な手段の1つです。求めるスキルや経験に合わせた人材を派遣してもらえるので、急な人手不足で採用活動に時間を捻出できない場合に大きく役立ちます。
人材派遣のメリット
人材派遣のメリットとして、以下の2点が挙げられます。
- 必要なタイミングに区切って人材確保ができる
- 教育費などが抑えられる
正社員を雇うよりも人件費が抑えられ、期間を決めて即戦力に来てもらえる点が人材派遣のメリットです。派遣社員により人手不足を補うことで、ビジネス機会の損失の防止につながります。
人材派遣のデメリット
人手不足の解消や即戦力の確保に有効な人材派遣ですが、下記のようなデメリットもあります。
- 期間に制限がある
- 育成コストがかかる
派遣には期間が定められているため長期的な人材確保にはつながりません。また派遣社員が必要なスキルを持っているとは言え、会社のルール説明や教育が必要となるため、会社にとってコストとなる可能性もあるでしょう。
5.自社のWebページから採用する
求人サイトへ広告を出す以外にも、自社のWebページに採用向けの特設サイトを設け、求職者を募る方法もあります。
自社のWeb採用ページのメリット
自社の採用ページを活用するメリットは大きく分けて以下の2つです。
・応募者の質を向上させられる
・掲載できる情報数が無制限
自社の採用ページは他の採用方法よりも会社の強みや福利厚生、社内の雰囲気など独自の魅力を具体的にアピールが可能です。「なんとなく受けてみよう」と深く考えずに応募する人を減らす効果が期待できるでしょう。
自社のWeb採用ページのデメリット
自社のWeb採用ページで採用を行うデメリットとして、次の2点が挙げられます。
・制作費が発生する
・即効果が現れるとは限らない
構築の初期費用に加え、Webページを最新の状態に保ち続ける維持費などが発生するので、社外に制作を発注する際は予算とページのクオリティをすり合わせて慎重に依頼先を検討しましょう。
また、自社Web採用ページを訪れるのは「社名を知って興味を持ってくれている人」に限られます。そのためページを作ったからといってすぐに応募者が現れるとは限りません。自社を知ってもらうために広告を出したりSNSで発信したり自社の認知度を高める活動もあわせて行うことが重要です。
6.リファラル採用する
リファラル採用とは、従業員に友人や知人を紹介してもらう採用方法を言います。アメリカでは盛んに活用されている採用方法の1つで、マイクロソフト社やGoogle社などが実施していることで有名です。
リファラル採用のメリット
リファラル採用のメリットは主に以下の2つです。
- ミスマッチを防止しやすい
- 採用コストの削減
リファラル採用は社内のことを良く知る従業員からの紹介によるため、人柄を把握しやすく会社にマッチしている可能性が高いです。
リファラル採用のデメリット
リファラル採用のデメリットとして、下記の2点が挙げられます。
- 不採用になった場合、人間関係に悪影響が出る可能性がある
- 人材の傾向に偏りが生じる
不採用となり、友人と従業員の間に亀裂が生じないよう、一定の配慮が必要となります。またミスマッチを防止しやすい反面、性格や能力などに偏りが出てしまい、グループや派閥などが生まれる可能性がある点に留意しておきましょう。
7.SNSでソーシャルリクルーティングする
近年ではTwitterをはじめとするSNSを使った採用方法を積極的に取り入れる企業が増えています。SNSでリプライやDMのやり取りをして親睦を深め、発信によって自社ブランティングを行いターゲットに遡及できるのが特徴です。
SNS採用のメリット
SNS採用のメリットは大きく分けて次の4つです。
- 拡散力がある
- 採用ターゲットに対するブランディングが可能
- ミスマッチ防止
- 選考過程で応募者の考え方や思考を深く知ることができる
SNSは拡散力があるため、転職潜在層にもアプローチが可能です。また、コミュニケーションを通して身近に応募者を知ることができるので、選考の判断材料の収集にも役立つでしょう。
SNS採用のデメリット
次に、SNS採用のデメリットについて確認していきましょう。
- 応募者がすぐに集まるとは限らない
- 情報発信の労力が必要
SNS採用に取り組んでも、フォロワーが増えて自社が認知されるには時間がかかります。そのためすぐに応募者が集まる訳ではなく、発信する労力に見合った結果が出るまでには一定の時間投資が必要だと理解し、取り組むことが大切です。
8.業務委託で採用する
派遣社員のように即戦力をすぐに採用したい場合は、フリーランスの人と業務委託契約を交わす方法も有効な採用方法と言えるでしょう。
業務委託のメリット
業務委託のメリットは以下の通りです。
- 人件費の削減
- 教育コストを抑えられる
- 社内の人材を
正社員のように賞与や社会保険料の負担が発生しないため、人件費の削減につながります。
また専門性の高い業務委託人材を活用することで、教育コストを最小限に抑えることが可能です。
業務委託のデメリット
一方で業務委託には次のようなデメリットもあります。
- 時間あたりのコストは高額になりがち
- 自社の社員が育ちにくい
業務委託契約を交わすと、時給や案件ごとに報酬が発生します。業務委託のフリーランスは専門分野に特化しているため、通常の社員より時間あたりの報酬が高くなる傾向にあります。
9.エンジニア転職イベントに参加する
転職イベントは中小企業向けのものや、業界特化型のものまで幅広いジャンルで開催されています。エンジニア向けのイベントに出展することで、自社を知らない求職者にアプローチでき、近い距離でコミュニケーションを取ることが可能です。
転職イベントのメリット
転職イベントに参加するメリットとして、以下の3つが挙げられます。
- 多くの求職者に出会える
- 自社の認知度を高められる
- イベント当日に面接も可能
規模によって来場者数が1万人を超える転職イベントもあり、1日で多くの求職者がブースに訪れることが期待できます。またその場でカジュアル面談を行える点も、転職イベントに参加する大きなメリットと言えるでしょう。
転職イベントのデメリット
転職イベントに出展する具体的なデメリットは、下記の通りです。
- 時間や労力、参加費用などのコストが発生する
- 準備や運営にあたり、人員を確保しなければならない
イベントで使う資料や装飾の準備、運営スタッフを最低でも数人は確保する必要がある点がデメリットとして挙げられます。必ずしも自社が求める人材と出会える訳ではないので、費用対効果が得られないこともあるので留意しておきましょう。
10.エンジニア勉強会・オフ会に参加する
SNSを通してエンジニア同士の勉強会やオフ会で現役のエンジニアと出会い、採用につなげる方法もあります。勉強会やオフ会は情報交換を目的として開催されていますが、人脈を開拓するために参加している人もいます。転職潜在層に自社を知ってもらい、採用へつなげる種まきとして活用するのも1つの方法です。
エンジニア勉強会のメリット
勉強会へ参加するメリットは、主に次の2つがあります。
- 転職潜在層にアプローチできる
- 採用マーケティングについて学べる
情報交換会や懇親会に参加すれば、転職潜在層と出会える機会が増え、自社を認知してもらうのに効果的です。また勉強会によっては採用担当者向けのレクチャーを行っている場合もあり、エンジニア採用について未経験・初心者の人事担当者が知識を深めるのに役立つでしょう。
エンジニア勉強会のデメリット
エンジニア採用のデメリットとして、以下のようなものが挙げられます。
- 採用につながらないケースもある
- 採用担当者の業務負荷がかかる
勉強会やオフ会は採用に直結するものではないので、求める人材に出会えないこともあるでしょう。勉強会参加のために他の業務ができなくなるので、採用担当者の負担となるリスクもあるため、スケジュール調整などの配慮が必要です。
エンジニア採用は複数の採用手法を組み合わせよう
エンジニアは採用倍率が高く、1つの手法だけでは効率良く採用活動を進めるのは困難でしょう。予算や担当者の負担なども考慮しつつ、可能な限り複数の手法を活用し、エンジニアに自社を認知してもらう機会を増やしましょう。採用を成功させるポイントは、ペルソナ設定を行い、現場のエンジニアを巻き込みながら採用活動を進めることです。
エンジニア採用手法ごとの具体的なオススメのサービスは、以下の記事でまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
エンジニアの採用手法に関するまとめ
今回の記事では、エンジニアの採用手法を10つ厳選してご紹介しました。手法ごとにメリット・デメリットがあり、アプローチできる求職者層も異なります。1つの手法に力を注ぐのではなく、複数の採用手法を並行して活用して求職者に接触する機会を増やすことが重要です。
どの手法が自社に適しているか検討し、適切な採用活動を行うことが、人手不足を解消する近道と言えるでしょう。