フリーランスの人口が増加する中で、優秀な人事のプロフェッショナルの方が自己実現に向けて独立するケースも増えており、様々な企業のプロジェクトの核として活躍する機会を求めています。
内閣府は24日、フリーランスとして働く人の数を306万人から341万人程度とする推計を公表した。国内の就業者全体の約5%を占める。内閣府がフリーランスの人数を推計するのは初めて。政府は多様で柔軟な働き方を後押ししており、フリーランスの実態を把握することで今後の政策に役立てる考えだ。
引用元:日本経済新聞
弊社の「人事プロパートナーズ」では、そのような「優秀なフリーランス人事」と「成長企業」双方のニーズを解決するためのサービスを展開しています。
そこでこの記事では、具体的な仕事内容からどんな案件があるのかまで、人事・採用のフリーランスを検討される方に役立つ内容をまとめました。
Contents
人事フリーランスの仕事内容
企業が求めている人事フリーランスの仕事内容はどのようなものなのでしょうか?
弊社の「人事プロパートナーズ」の利用者様の場合は、大体が下記の6パターンに分けられます。
- 採用及び組織戦略全般支援
- 採用特化型支援
- 教育及び組織強化支援
- 組織状態改善支援
- 労務改善支援
- スカウト及び採用事務対応支援
1.採用及び組織戦略全般支援
採用・広報周りの戦略設計から組織改善まで、採用から人事までの仕事を幅広く任されます。
具体的な仕事内容は以下の通りです。
・ミッション、ビジョン、バリューの設計/浸透
・採用戦略設計
・評価/報酬制度設計
・組織改善相談
採用戦略の立案経験など、人事・採用担当者としてのプロフェッショナルなスキルを求められます。
2.採用特化型支援
採用に特化して支援をします。
やはり、採用業務経験のある担当者を探している企業は多いです。
特にフリーランスでの採用を考えている場合は、「中途エンジニアの採用業務経験のある採用担当者」など、自社が求めている職種の採用経験があるかなどピンポイントなニーズもあります。
具体的な仕事内容は下記の通りです。
・中途/新卒採用戦略設計
・採用ブランディング
・面接及びクロージング実施
・エージェントマネジメント
採用のプロフェッショナルとしてのスキルが求められます。
3.教育及び組織強化支援
社内研修や社外研修など、組織強化の支援をします。
具体的な仕事の内容は以下の通りです。
・研修体系設計
・キャリア体系設計
・マネジメント研修実施
・人事担当者教育
実際に企業で研修を設計してきた経験が求められます。
4.組織状態改善支援
組織改善の支援をします。
実際に現場での細かな改善をすることもあれば、組織コンサルとして上流の改善を求められることもあります。
具体的な仕事内容は以下の通りです。
・社内制度改革
・行動指針などの見直し
・経営と現場の意識乖離改善
・社内活性化イベント設計
組織マネジメントの知見から組織改善・制度設計の構築経験が求められます。
5.労務改善支援
労務改善、管理の支援をします。
具体的な仕事内容は以下の通りです。
・上場基準に則った労務基準の設計
・ガバナンス研修実施
・給与計算実務
・社会保険手続実務
労務のプロフェッショナルとしてのスキルが求められます。
上場経験があると当然ですがニーズは高まります。
6.スカウト及び採用事務対応支援
採用の実務の支援をします。
具体的な仕事内容は以下の通りです。
・候補者選定
・スカウト送付(振り返りと改善を含む)
・日程調整
・採用要件まとめ
採用の実務、事務対応の経験が求められます。
「LabBase(ラボベース)を使ったスカウト経験がある方」など、特定のスカウトサービスの使用経験が求められることもあります。
人事フリーランスになるのはどんな人?【実際の案件を例に解説】
次に、具体的にどのようなスキルや経験を持つ人が人事のフリーランスになっているのかを、弊社サービスの利用者が参画した案件を例にご紹介していきます。
具体例①:採用及び組織戦略全般支援
性別 | 37歳 |
年齢 | 男性 |
条件 | 月60万固定でMTGのみ出社 |
出身企業 | 外資系大手→ベンチャーCHRO |
スキル | ・MVVの設計/浸透 ・採用戦略設計 ・人事制度設計 ・組織改善相談 ・研修の設計と実施 |
人事専属のメンバーが1名もおらず、採用計画の未達及び社員のモチベーション低下が課題となっていたスタートアップに、某ベンチャー企業のCHRO経験者を紹介しました。
経営陣との壁打ちを通し、人事体制を一から構築。
また並行し、評価制度のテコ入れも含めた、既存社員へのミッション・ビジョン・バリューの浸透施策を実施。
社内の雰囲気も改善され、結果として採用力も向上させることに成功しました。
具体例②:組織状態改善支援
性別 | 39歳 |
年齢 | 女性 |
条件 | 時給6,000円で平日夜と土日稼働 |
出身企業 | ベンチャー企業複数社 |
スキル | ・評価制度策定 ・行動指針などの見直し ・経営と現場の意識乖離改善 ・マネジメント研修 |
エンゲージメントサーベイの数値が低く離職者の多さが課題だったWEB広告代理店に対し、経営陣・マネジメントレイヤーとの壁打ちを通じ、ビジョンに紐づく行動指針を策定。
策定に際しては全社を巻き込んでのワークショップをファシリテート。
また合わせて関連する制度の見直しを行い、運用までをリードした結果、エンゲージメントサーベイの数値は20%の改善に至りました。
具体例③:採用特化型支援
性別 | 32歳 |
年齢 | 男性 |
条件 | 月50万固定で月60h稼働 |
出身企業 | メガベンチャー人事責任者 |
スキル | ・採用戦略設計 ・採用ブランディング ・面接フローの改善 ・候補者クロージング |
エンジニア採用に課題を感じていた100人規模のベンチャー企業に対し、現状の分析〜課題とアセットの整理、経営陣とのディスカッションを重ね、採用戦略の策定と施策実行までを一貫して行ないました。
結果としてエンジニアの採用人数を作対比230%まで引き上げることに成功。
そのまま人事リーダーと参画するに至り、現在は同社のCHROを務めています。
具体例④:スカウト及び採用事務対応支援
性別 | 28歳 |
年齢 | 女性 |
条件 | 時給3,500円で週4稼働 |
出身企業 | 大手HR企業→HRベンチャー |
スキル | ・候補者選定 ・スカウト送付と改善 ・日程調整 ・エージェントマネジメント ・求人作成と改善 |
人事担当者が1名しかおらず、とにかくリソースが枯渇していたHR系スタートアップに参画しました。
根幹業務だけに集中してもらえるよう、単純業務を全て巻き取ることで貢献。
また元々複数者のHR系企業に在籍していた経験を活かし、自主的にエージェントのマネジメントを推進。
結果としてエージェントからの推薦数および選考通過率を150%改善しました。
以上、4名の利用者の方を例に、人事フリーランスの仕事内容を具体的に見てきました。
業務内容も多岐に渡りますが、MTGのみ出社するリモート勤務や週4稼働のみなど、働き方も柔軟になるのが人事フリーランスのメリットの1つですよね。
それでは次に、そんな人事フリーランスになるメリットを改めて確認していきましょう。
人事フリーランスになる3つのメリット
人事フリーランスになるメリットは以下の3点です。
- 働き方が柔軟になる
- 収入アップにつながる
- 得意分野を伸ばせる
1.働き方が柔軟になる
先ほども説明した通り、人事フリーランスになる最も大きいメリットは、働き方が柔軟になることではないでしょうか?
もちろん企業によりますが、先ほどの例で出した方のようにMTGのみの出社でリモート勤務ができる場合もあります。
平日夜と土日のみ働くことで、平日の昼はお子さんと過ごし(子育てに時間を使い)、土日は旦那さんにお子さんを見ていただくことができるようにもなります。
共働きが多くなった現代では、このような働き方の自由を得られることは、とても大きなメリットなのではないでしょうか。
2.収入アップにつながる
先ほどの事例のように、月60万固定でリモート勤務や月50万固定で月60h稼働など、効率の良い働き方ができることで、収入アップにもつながります。
人事フリーランスの場合は1つの案件に縛られることがないため、複数の案件をこなすことで収入を積み上げることができるのがメリットですよね。
1社のみに勤める正社員では、企業側もどうしても1人に出せる給与には限界があります。
人事・採用という職種では、フリーランスという働き方を取ることが収入を大幅に伸ばす有効な手段の1つになるでしょう。
3.得意分野を伸ばせる
人事の方の中でも、採用が得意な人もいれば、組織改善が得意な人もいれば、労務が得意な人もいます。
人事の仕事は内容は多岐に渡るため、どうしても得意不得意が出てきてしまうのは仕方のないことでしょう。
ですが企業によってはリソースの問題から、自分が苦手な分野に時間を割かなくてはならず、自身の得意分野を伸ばすチャンスを失ってしまう人も多いのではないでしょうか?
人事フリーランスであれば、採用特化型支援や組織状態改善支援など、自身の得意分野に特化した支援をする形で、企業の案件に参画することができます。
以上、人事フリーランスになる3つのメリットについてお伝えしました。
それでは次に、デメリットの方も確認しておきましょう。
人事フリーランスになる3つのデメリット
人事フリーランスになるデメリットは以下の3点です。
- 収入が不安定になる
- 自分で管理しなければいけないことが増える
- 仕事を自分で獲得しなければいけない
1.収入が不安定になる
人事フリーランスになるデメリットの1つ目は、収入が不安定になる点です。
正社員と違い毎月必ず決まった給与が支払われるわけではないため、人によっては月によって稼げる月と稼げない月が出てくることもあるでしょう。
人事フリーランスが収入を安定させるためには、複数の案件を持つか、継続的に案件を獲得できる仕組みを手に入れるかしかありません。
そのためには、人事フリーランスとしての実績をしっかりと残し、自身でホームページを持ったり、SNSを活用して集客をしたりするなど、様々な活動を同時進行で進めていく必要があります。
一見、自由な時間が増えるように見える人事フリーランスですが、仕事を安定して獲得することができない方は、むしろ正社員時代よりも時間に追われることになる場合もあるでしょう。
2.自分で管理しなければいけないことが増える
人事フリーランスとしてリモート勤務をする場合には、自身で時間を管理する必要があります。
逆に働きすぎになってしまっては元も子もありませんよね。
また、保険の支払いや税金の支払いなど、これまでは会社に任せておけば良かったものも自分で管理するようにしなければなりません。
このように人事フリーランスになった場合は、正社員時代よりも自身で管理しなければいけないことが増える点が、デメリットの1つです。
3.仕事を自分で獲得しなければいけない
人事フリーランスになった場合には、自分で仕事(案件)を獲得していかなければないというデメリットがあります。
初めは前職でのつながりや紹介で案件を獲得できていたとしても、いつかは新規で案件を獲得できるようにならなければなりません。
人事においてはプロフェッショナルな方でも、自分の仕事を獲得するための営業に関しては得意でないという人が多いです。
人事と営業では必要なスキルも異なるため、当然ですよね。
一体自分をいくらで売るのか?という報酬交渉をどうすれば良いか、イメージできない人が多いのではないでしょうか?
まずは、人事フリーランス専門のエージェントを活用してみましょう
上記で解説したデメリットを解消する際に役立つのが、人事フリーランス専門のエージェントです。
エージェントを活用すれば営業を代行することができるため、営業力に自信がない方でも、本職である人事・採用のスキルさえあればフリーランスとして案件を獲得することができるようになります。
条件や報酬交渉もプロのエージェントに任せられるため、自分を安売りする必要もありません。
初めは仕事を獲得するために自分を安売りしてしまう方もいらっしゃいますが、一度下げてしまった単価を上げることは非常に難しいため、非常にもったいないです。
また、正社員でも経験年数が評価されるように、人事フリーランスもフリーランスとしての経験年数・実績が評価されます。
ですので、まずはエージェントを活用して案件を獲得して人事フリーランスとしての実績を積み、単価を上げていくことをお勧めします。
そして、徐々に自身の力で案件を獲得できる体制を作っていきましょう。