マネジメントが勉強できるオススメ本15選【目的・階層別】

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個人プレーで成果を出すことと、管理職やリーダーになってチームを動かすのとでは、求められるスキルが異なります。これから部下の指導をする方や、管理職になってから業績が伸び悩んでいる方は、マネジメントを学んでスキルアップを図りましょう。

この記事ではマネージャーやリーダーの方向けに、マネジメントの代表作を15冊に絞りご紹介します。階層別と目的別に分けて解説しているので、自身の状況に合った本を見つける手がかりに役立ててください。

Contents

マネジメントを勉強できるおすすめ本15選

マネジメントの本は抽象的だったり、文章が長くて解読しにくかったりと、読み進めるのに時間がかかるものも少なくありません。入門書や自身のポジションに合ったものを選び、効率良くマネジメントの知識をインプットし、実践に活かしましょう。

ここでは、初心者と管理職に分けて読むべき名著をお伝えします。

初心者がまず読むべきマネジメントの入門書3選

マネジメントの勉強をして挫折した人や、これからマネジメントの基礎を学びたい人におすすめするのが、下記の3冊です。

  • もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
  • 徹底的にかみくだいたドラッカーの「マネジメント」「トップマネジメント」
  • 図解・やるべきことがよくわかるドラッカー式マネジメント入門

いずれも、ドラッカーが提唱したマネジメントの論理を分かりやすく解説した本です。

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

「もしドラ」と呼ばれ、社会的ブームを巻き起こしたドラッカーの入門書です。野球部員のマネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読み、組織改革をしながら目的達成(甲子園)を目指すもので、小説とビジネス書が融合した作品になっています。「マネジメント」について分かりやすく説明されているので、ドラッカーを初めて学ぶ人におすすめの一冊です。小説を楽しみながら、マネジメントの概念を理解できます。

著者岩崎 夏海
出版社ダイヤモンド社
発売日2009年12月4日

徹底的にかみくだいたドラッカーの「マネジメント」「トップマネジメント」

「マネジメント」「トップマネジメント」を正しく解釈するために執筆されました。著者はドラッカー研究を40年以上行っている二瓶 正之氏です。ドラッカーの理論を広範囲にわたって解説しており、ドラッカーが歩んできた人生についても記載されています。優れたマネージャーの8つの行動習慣や、リーダーシップの3つの本質など、ドラッカーの提唱した教えを体系的かつ短期間で学べる一冊です。

著者二瓶 正之
出版社主婦の友社
発売日2019年3月8日

図解・やるべきことがよくわかるドラッカー式マネジメント入門

ドラッカーの名言と具体例を挙げ、図解を用いてマネジメントを解説しています。目的別に項目が分類されており、自身の直面している問題や悩みから検索して、「何をすべきか」がすぐに分かる仕様です。たとえば、「変化をとらえる!8つの原則」「強みを引き出す!11の原則」など、章ごとにやるべき原則が書かれているので忙しいビジネスマンでも必要な情報を入手しやすくなっています。

著者竹石 健
出版社イースト・プレス
発売日2018年1月17日

管理職として部下のマネジメントに悩む人が読むべき本4選

ここまではマネジメントの概念をつかむ入門書を取り上げました。本章からは、初心者向けの本では物足りない人や、実践的な知識を得たい人向けの本をお伝えします。

部下の個性や現場の状況によって、マネージャーやリーダーに求められるスキルは変わります。インプットした知識を状況によって使い分ける判断力も、マネジメントを行う上で重要なスキルです。

3分間コーチ ひとりでも部下のいる人のための世界一シンプルなマネジメント術

コーチングのスキルよりも、部下との1on1コミュニケーションを「いつ行うか」に焦点を当てた本です。本著では、1日1回、3分時間を取って部下と会話することを提言しています。コーチングの第一人者である著者が、具体的に部下といつコミュニケーションを行うべきか記しているので、すぐに実践できるマネジメント・メソッドが学べる一冊です。

著者伊藤 守
出版社ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日2008年3月13日

デキる上司

「20のしかけ」で部下のやる気を引き出す方法を示しています。難しい仕組みではなく、簡単に継続できる仕組みこそが、「ばつぐんの効果」を発揮すると著者は主張しています。しかけの例としては、「名前+おはよう。と挨拶をする」「ほめる、しかる、ほめるの順で指導する」などが挙げられます。分かりやすく日常で活用できるマネジメント手法を知りたい方におすすめの本です。

著者白潟 敏朗
出版社中経出版
発売日2007年2月28日

自分の頭で考えて動く部下の育て方 上司1年生の教科書

部下をこれから育成しようとしている人が読むべき本の1つです。部下を育てる秘訣は、「答えを与えるのではなく、質問から答えを導き出すようにすること」であり、どのような思考にもとづき部下を育てれば良いか方向性が見えてきます。指示待ちの部下に悩んでいる方は、この本を読んで自身の育成方法に課題がないか、振り返ってみてはいかがでしょうか。

著者篠原 信
出版社文響社
発売日2016年11月18日

伝え方が9割

コミュニケーション能力はマネジメントに欠かせないスキルです。コミュニケーションの取り方を理解することは、マネジメントを円滑に行う助けとなるでしょう。本著は、伝え方の技術が方法論として体系化されているので、誰もが簡単に伝える力を身に付けられるよう、作られています。ビジネスだけではなく、日常の場面でも使える技術が書かれているので、管理職の方以外にもおすすめできます。

著者佐々木 圭一
出版社ダイヤモンド社
発売日2013年3月1日

チームマネジメントが勉強できる本3選

チームマネジメントとは、「目的達成に向け、仕組みを作って呼びかけをするなど調整をし、チームの従業員一人ひとりがパフォーマンスを上げられるような組織にすること」を指します。

では、チームマネジメントに必要な知識を得るために、どのような本を読むべきでしょうか?ここからは、チームマネジメントを包括的に学べる3冊をご紹介します。

最高のリーダーは何もしない

この本は、マイクロマネジメント(細かい管理)を除外して、ビジョンを明示し部下が躍動して組織運営をする仕組みづくりが重要であると唱えています。リーダーや管理職が行動をしない、という旨の本ではありません。良いリーダーの共通点や豊富な事例を展開し、マネジメントをする全てのリーダーを対象にした本です。

著者藤沢 久美
出版社ダイヤモンド社
発売日2016年2月5日

問いかけの作法 チームの魅力と才能を引き出す技術

組織が成果を上げるには「問いかけ」の質をコントロールすることが大切だとし、チームの潜在能力を最大化する「良い問いかけ」を行う方法が書かれています。前半の章は、チームのトラブルが発生する原因や、問いかけのメカニズムといった基礎編です。次の実践編では、問いかけの方法が具体的に解説されており、この本でチームマネジメントの仕組みと実践に必要な知識が理解できるでしょう。

集団ミーティングや1on1に加え、上司や同僚、家族などの対人関係にも使えるスキルの習得に役立つ一冊です。

著者安斎 勇樹
出版社ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日2021年12月23日

心理的安全性のつくりかた

「心理的安全性(psychological safety)」とは、上司や同僚など関係性を問わず組織の人間に自身の気持ちや意見を言葉に出して伝えられる状態を指します。一人ひとりの個性が発揮できる環境を作りチームで成長していくチームビルディングの実践について学べる本です。心理的安全性の4因子である「話しやすさ・助け合い・挑戦・新奇歓迎」の概要や、4因子を活発にするフレームワークが紹介されています。本書は詳細な心理的安全性を高めるアプローチ方法が書かれているので、チーム強化を図りたい管理職は一読してみてはいかがでしょうか。

著者石井 遼介
出版社日本能率協会マネジメントセンター
発売日2020年9月1日

プロジェクトマネジメントが勉強できる本3選

プロジェクトマネージャーはスケジュールの考案、プロジェクトのタスク管理などプロジェクト進行の計画を立て、成功へ導かなくてはなりません。

本章では、プロジェクトマネジメントのポイントを押さえるのに有効な3冊をピックアップしました。

外資系コンサルが教える難題を解決する12ステップ プロジェクトリーダーの教科書

プロジェクトを12のステップに分け、プロジェクトを進行する上で注意すべき点を挙げ、必要なマインドや行動を解説した書籍です。トラブルリカバリーをしてきた経験豊富な筆者が取り上げる失敗例や成功例を通して、プロジェクトのリスク対策が学べます。

著者中鉢 慎
出版社かんき出版
発売日2018年7月19日

外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント

結果を出すのに有効な「ちょっとしたコツ」が分かる実用性の高い本です。たとえば、「助けを求める勇気を持つ」「メンバー同士を比べない」など、すぐに実践できるコツが分かります。特に、プロジェクト進行やチームの士気が低いといった課題を抱える若手のマネージャーやリーダーは、この本から解決のヒントが得られるでしょう。

著者山口 周
出版社大和書房
発売日2016年3月27日

誰しもが読むべき名著と言われるマネジメント本2選

マネジメントを学ぶ上で、欠かすことができない書籍を2つピックアップしました。次の2冊は、マネジメントを学んだことがある人なら、誰でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

  • マネジメント – 基本と原則
  • ビジョナリー・カンパニー

概要を以下で詳しく説明します。

マネジメント – 基本と原則

「マネジメントの父」と評されるドラッカーのマネジメント論を記した代表作の1つです。ドラッカーの「マネジメント―課題・責任・実践」からポイントとなる箇所を抽出したもので、マネジメント論を体系的に勉強したい方におすすめします。マネジメントに関する基本や原理を網羅しており、ドラッカーの入門書の中でも読み応えのある一冊です。

著者ピーター・F・ドラッカー
出版社ダイヤモンド社
発売日2001年12月14日

ビジョナリー・カンパニー

「ビジョナリー」とは、先見性という意味を持ち、「ビジョナリー・カンパニー」とは経営理念を持って長期的に優良企業を維持する会社を言います。長期間にわたり成功している18社を調べ、共通の原則を取りまとめた書籍です。経営や組織理念の重要性を理解するのに役立つでしょう。

著者ジム・コリンズ
出版社日経BP社
発売日1995年9月26日

マネジメントに役立つ資格

マネジメントの概要やスキルを身に付けたら、資格取得をしてスキルアップを図るのも良いでしょう。マネジメントに関する資格で代表的なものは、下記の3つです。

  • ビジネスマネジャー検定
  • PMP(プロジェクトマネジメント資格)
  • メンタルヘルス・マネジメント検定

ビジネスマネジャー検定

ビジネスマネジャー検定は、マネジメントに関する知識を包括的に問う、マネージャー層の知識習得を促す目的で行われている試験です。

  • マネジャーの役割と心構え
  • 人と組織のマネジメント
  • 業務のマネジメント
  • リスクのマネジメント

自宅のパソコンから受験できるので、忙しい管理職であっても簡単に受けられます。チームの成果を最大化するために何が必要かなど、実践に役立つ知識を学ぶ良い機会となるでしょう。

PMP(プロジェクトマネジメント資格)

PMPとは、プロジェクトマネジメントの国際資格で、経験や教育、知識といった項目を計測して、習熟度をチェックするために行うものです。受験には35時間にわたる公式の研修を受講しなければなりません。なお、合格率については発表がないため数値は不明です。

受験の要件として、プロジェクトマネジメント経験の有無が問われるため、一定のスキルを持った管理職でなければ合格は難しいかもしれません。

メンタルヘルス・マネジメント検定

メンタルヘルス・マネジメント検定試験は、ポジションごとに求められるメンタルヘルスケアの知識や対処法をどのくらい習得しているか証明する検定です。

コースによって対象となる受験層が異なります。

  • Ⅰ種(マスターコース)…人事担当者や役員、経営者
  • Ⅱ種(ラインケアコース)…マネージャー、リーダー
  • Ⅲ種(セルフケアコース)…一般の従業員

民間の検定ではありますが、Ⅰ種の合格率(2021年11月)は19.8%のため、十分な勉強時間を確保していないと合格は難しいでしょう。メンタルヘルスケアの知識があれば、早期フォローにつながり、従業員への迅速な支援や、パワーハラスメント防止などに役立ちます。

マネジメントの勉強に関するまとめ

マネジメントの勉強を効果的なものにするには、自分のレべルや状況にあった本を選ぶことがポイントです。今回ご紹介した本の他にも、マネジメントに関する名著は数多く存在します。経済や環境が変化すれば、成果が出るマネジメント手法も変わるでしょう。定期的に本を読み、柔軟に対応できる知識を習得し続けることが大切です。