大手企業の人事に転職するには?7つの成功ポイントを徹底解説

人事のキャリア

大手企業に転職したいけれど、人事部門には新卒入社の社員しか配属されないと考えている人も多いでしょうか?実は、大手企業といっても対応はさまざま。なかには中途採用で外部から経験のある人材を募集することもあります。

この記事では、人事として大手企業に転職する方法について、成功するためのポイントや大手人事の特徴についてまとめました。

大手企業の人事に転職することは可能?難易度は?

大手企業だからといって、外部人材の中途採用を行わないわけではありません。実際のところ、多くの転職サイトや転職エージェントでは、大手企業の人事求人を扱っています。

ただし、大手企業で未経験人事を募集する求人は少なく、例え人事経験者であっても転職の難易度は高くなります。また、年齢に応じた経験が求められる傾向もあり、大手企業の人事への転職を考えている人は、1日でも早い行動が重要になります。

大手企業における人事職の特徴は?中小企業との違い

大手企業の人事職は、中小企業とは異なり、人事業務が細分化され担当ごとに採用するケースが多くみられます。以下に、大手企業における人事職の特徴をご紹介します。

部門分けされ業務が分業制

大企業の人事部門は複数の社員が在籍しており、業務が各人事の業域に部門分けされています。一般的には、「採用」「研修・人材育成」「労務」「人事制度設計」の4つの分業制です。

一概にはいえませんが、中途採用での募集が多くみられるのは、「採用」と「労務」の領域です。採用では、リファラル採用や採用広報など、年々新たな採用手法が登場しています。自社の事業や職場への深い理解が求められる仕事ですが、トレンドに合わせて採用スケジュールやツールの見直しも重要です。そのため、従来のやり方とは異なる方法を知る外部人材が必要とされるケースがあります。

労務についても似たようなことがいえます。給与計算や社会保険手続きといったルーティンワーク要素の強い業務だけではなく、健康経営やエンゲージメント向上といった、従業員の生産性向上につながる労務管理が求められます。同じような規模や社風の労務管理経験者は、培った経験や知識という点で重宝されます。

他の部門についても、中途採用がまったくないというわけではありません。自身の経験を結び付けアピールすることが大切です。

高い専門性が求められる

担当業務が部門ごとに細分化されているため、一人ひとりに高い専門性が求められるのも大手企業の人事の特徴です。たとえば、採用に配属された場合には、その領域を一定年数担当することになります。

採用規模にもよりますが、新卒採用・中途採用・アルバイト採用と一通りの実務を担うだけでなく、経験とスキルに合わせて採用手法の設計や面接を任されます。シニアスタッフになれば経営戦略と結びついた採用戦略の立案・実行までを担うこともあります。

従来のやり方を尊重し、改善・刷新・工夫を重ねるのが大手企業の人事のスタイルです。現状の知識や経験だけで満足せず、専門性を高めるための積極性や自発的な努力が必要になります。

大手企業が求める人事担当者の特徴

大手企業で人事担当者に求められる重要な要素としては、「コミュニケーション能力」があります。人事が向き合うのは自社の従業員。組織規模が大きい大手では、さまざまな立場の従業員と接することになります。相手に合わせた伝え方や、相手の要望を汲み取るスキルが求められます。

また、複数の部門と関わることになるため、社内根回しが上手にできることも重要です。新たな施策の推進の際に、プロジェクトチームが立ち上がることもあります。メンバーや関係者と調整を行いながら、物事を進めるプロジェクトマネジメント力も大手人事に必要とされる要素といえます。

近年では、ダイバーシティ&インクルージョンに代表されるように、性別・国籍・年齢・文化的背景などの違いにとらわれない組織・人事運営が企業に求められています。大手企業はグローバルに事業展開するところも多く、異文化への理解や語学力も必要です。

参考: 経済産業省 | ダイバーシティ経営の推進

人事経験者が大手への転職を成功させる7つのポイント

では、人事経験者が大手へ転職するためには、何に注力して転職活動を進めればよいのでしょうか。以下に、転職を成功させるための7つのポイントをご紹介します。

1.自身のキャリアを棚卸する

転職をスムーズさせる第一歩として、自身のキャリアの棚卸を行いましょう。これまでの経歴をかき出したあと、それぞれの職場や担当した業務で学んだスキルや成し得た実績を言語化します。ここで明確にした要素は、のちのちのアピールポイントとして活かせます。

2.大手企業に転職したい理由を明確にする

なぜ大手企業に転職したのか、その理由を明確にしましょう。「グローバルな組織展開に関わりたい」「ダイバーシティ&インクルージョンの姿勢に感銘を受けた」など、大手の組織規模だからこそ実現できる部分に焦点を当てて考えてみると、なぜ自分が大手企業に転職したいのかの理由が明確になります。

3.自身のキャリアプランを明確にする

大手企業の人事では、専門性が重視されます。そのため、自分が人事としてどのようなキャリアを積んでいきたいのか、考えてみましょう。これまでの経験と結び付け、より発展させたい領域や実現したい取組みを言葉にしてみましょう。転職活動の際、人事としての成長意欲が伝わります。

4.企業が求める人物像を徹底調査する

一概に大手といっても、求める人物像は企業によって異なります。応募する企業の社風や求める人物像についてリサーチしてみましょう。なかには、リサーチの途中で「自分の求めている職場と違うかもしれない」とミスマッチに気づく可能性もあります。

5.年齢が若い場合は第二卒採用枠を狙う

20代後半よりも年齢が若い場合には、第二新卒枠で大手企業に転職するチャンスもあります。近年では、新卒一括採用を廃止し通年採用としたり、30歳まで応募可能なキャリア採用を設けたりと、大手企業でも採用手法が多様化しています。第二新卒枠を狙うことで、自身の経験とポテンシャルをアピールできます。

6.転職エージェントを活用する

転職サイトだけではなく、転職エージェントも積極的に活用してみましょう。転職エージェントは主に企業側からの求人広告費で成り立っているため、仕事を探している求職者は基本的に無料で転職エージェントのサービスを利用することができます。

転職エージェントでは、市場に非公開の求人を扱っているため、大手企業の人事求人を紹介してもらえる可能性があります。また、面接日程の調整を依頼できるため、複数求人に同時並行で応募する場合も安心です。

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7.同業界・親和性の高い業界を狙う

大手企業の人事への転職は、経験やスキルが重視されます。もし、同じぐらいの組織規模での人事経験を持っている場合は、大きな強みとなります。そうでなくても、親和性の高い業界での人事経験はアピールポイントです。たとえば、全国で店舗展開を行うアパレルの人事求人に対しては、従業員規模は違えど、複数の拠点を持つ企業での労務管理や採用経験を持つ人材が求める人物像に当てはまります。

棚卸したキャリアをもとに、アピールできる業界や企業を探してみましょう。

人事未経験から大手に転職するには?

もし人事未経験で大手の人事に転職を考えている場合、すぐに実現するのは難しいといえます。まずは別の企業で人事経験を積みながら、転職の道を検討するのがいいでしょう。

まずベンチャーや中小企業へ転職する

ベンチャーや中小企業のなかには、未経験歓迎の人事求人を出しているところがあります。こうした求人では、人事以外の経験が重視されます。例えば、営業職で培ったプレゼン能力や調整力は、人事職でも活かせる要素です。

また、違う企業の社風や制度を従業員として知っているという点で、外部人材の意見を組織運営に活かしたいという企業の意向ともマッチします。

未経験から人事に転職する場合、企業が重視するのはその人材が「人事業務の重要性」についてどれくらい理解しているかです。これまでの社会人経験から、人事業務の重要性に気づいた具体的なエピソードを交えて面接で話ができるといいでしょう。

人事の実務経験を最低3年以上積む

可能であれば、人事の実務経験を最低3年積みましょう。「3年」という数字は、一通りの業務を経験したあと、独り立ちして業務を担えるようになる目安の数字です。

人事業務には、社会保険料の改定や年末調整、4月の入社手続きのような「年に1回」しか発生しない定期業務が数多くあります。そのため、担当領域の業務を一通り覚えるには最低でも1年かかります。そこから業務をスムーズに行い、改善点まで目が行き届くようになると、即戦力として活躍できる人材だと認めてもらえるでしょう。

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大手企業に転職できた場合の年収目安

大手企業に転職できた場合の人事の年収目安は、400万円〜700万円が一つの目安です。

経験年数と年齢によって異なりますが、30代・40代の転職では400万円~500万円がボリュームゾーンとなります。もし30代・40代でも、リーダー以上の管理職経験や、人事として10年以上の経験を持っている場合は、年収700万円や年収1,000万円も夢ではありません。現状の年収とあわせて、転職先を検討してみるといいでしょう。

参考: 人事の年収まとめ (給料/平均年収/企業名などを集計)

近年増えているフリーランス人事という働き方とは

近年、リモートワークの普及に伴い、フリーランス人事として活躍する人々もいます。フリーランス人事とは、特定の企業に正社員として所属するわけではなく、業務委託などの形で複数の人事を掛け持ちする働き方をいいます。

フリーランス人事のメリットは、自身の強みを活かしながら働ける点です。フリーランス人事は業務特化型で発注される形が多いため、たとえば労務管理が得意な人であれば、労務管理のみを複数社かけ持つことができます。専門性を高めたい、限られた時間のなかで効率的に働きたいという方にとって、最適な働き方といえます。

フリーランス人事という働き方に興味をお持ちの方は、ぜひ人事プロパートナーズへご相談ください。

フルタイム案件だけでなく、リモート勤務や、週2,3日稼働、平日の夜のみなど、フレキシブルな働き方を実現できるお仕事をご紹介致します。

人事の大手企業への転職に関するまとめ

人事経験を持つ人であれば、大手企業の人事への転職は可能です。大手企業では領域ごとに業務が細分化されているケースが多いため、これまでのキャリアを棚卸し、自身の経験やスキルについてまとめましょう。大手企業の人事として、高めたい専門性などに具体的にふれつつ、キャリアプランを伝えることで、成長意欲が伝わります。