システム“実行力“を倍速にし、攻守のバランスがとれた開発体制を実現

仕事文化ストーリー

2014年01月22日

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システム“実行力“を倍速にし、攻守のバランスがとれた開発体制を実現

代表取締役 嶽本泰伸 氏
株式会社シー・コネクト

企業PROFILE
ECサイト運営/詰め替えインクカートリッジなど経費削減商品の販売/植物性洗浄液など、人と環境に優しくかつ経済的な、エコプラスワン商品の販売/中小企業の海外販売促進支援

ECサイトの運営や海外販売促進支援などを手がける株式会社シー・コネクト。設立から4年目を迎え、さらなる飛躍のカギとなるのは、アイデアを実行へと落とし込むシステム開発のリソースだった。ITプロパートナーズの活用を起点に、新たな雇用形態について確かな手応えを感じたという代表・嶽本氏に話を伺った。

c_pro柚木 仁 氏
合同会社ポリリズム代表、株式会社スカイシステムコンサルティング代表兼チーフコンサルタント
東京工業大学卒。
3歳よりプログラミングを始め、中学のときに自作のEラーニングシステムで試験勉強を行う。今まで携わった多くのプロジェクトで得た経験と豊富な知識から来る、素早く的確なシステム設計提案能力と開発スピード、その柔らかい物腰に定評がある。

溢れるアイデアの“実行力”を高めるために

ボトルネックは、システム開発のリソース不足だと認識していた。
ECサイトの運営などを手がける株式会社シー・コネクト。いわゆる“モール系”と呼ばれる既存の大手ショッピングモールに頼らず、企画、デザイン、コーディングから、商品を購入するカートやシステム構築まで、すべてを自社で内製化している。企画のアイデアは次々と湧いてくるが、それらの案件を実行していく流れの中、どうしても詰まりやすいのがシステムだった。同社の代表取締役、嶽本氏は当時の状況をこう振り返る。
「どれだけ良い企画を考えても、消化できる量は変わらないんですよね。良いアイデアがあればあるほど、システムのリソース不足で流れが詰まってしまうという状態で」
実行力を高めていくためには、社内リソースの比重を変えていく必要がある―。外部発注やアルバイトの雇用など、新たな方法を模索し始めた頃、共通の知人を介して出会ったのが当社の木村だった。

スペックにとどまらないマッチングが繋いだ出会い

嶽本氏から状況を聞いた木村が紹介したのが、エンジニアとしての包括的な知識・ノウハウと、技術力の両方を兼ね備えた柚木氏である。
「面談させていただいて、まず良かったのが人柄ですね。エンジニアというと硬い方が多い印象があるのですが、柚木さんはすごく物腰が柔らかくて」
面談中、嶽本氏が今後取り組みたいと考えていた案件の話をしてみると、柚木氏はそれまでの経験をもとに、構造やデータベース設計を含めたプランを即座に頭の中で組み立てて応対。スキル・経験という意味でも同社が求めていた存在、そのものだった。
「紹介にズレがない、と感じました。いろいろなプロパートナーズを抱えられている中で、各々のキャリアや人柄など、情報を複合的に把握し、かつ私たち企業側の要望や社風も把握した上で、両者のマッチング度を考えて紹介してもらえるという印象でした」

新しい働き方を受け入れた現場環境

早速、柚木氏は同社のシステムの一員として加わることに。勤務は週に2日。限られた勤務時間だからこそ、重い案件を中心に構造設計や与件整理に積極的に関わってもらうようにした。
週2回という初めての勤務形態に、当初は現場の戸惑いもあったという。だが話し合いを重ね、柚木氏には部署を引っ張る「リーダー」ではなく、実働にも携わりながら相談役となる「アドバイザー」的な立ち位置をとってもらうことでバランスがとれ、円滑な関係が確立していった。

倍速で稼働し始めた“実行力”

手応えは、確かだった。
「まず、リリースできる案件の量が増えました。今まではシステムがボトルネックだったので、妥協していたラインが結構あると思うんです。『本当はこのくらいまでこだわりたいが、今回はこの辺で辞めざるを得ない』と。でも、それが少なくなって」
それまでは特に時間を要していた、構造の設計段階も、柚木氏の経験が活かされてスピーディになり、実際の開発に取り組むまでの時間が格段に短縮された。当初はリリースまで3、4ヵ月かかると想定されていた案件は、柚木氏のアサインによって約2ヵ月弱、倍速のスピード感をもってリリースされた。その間、他のメンバーは並行して他の案件も進めている。ただ単に期間が短縮できた以上の効果があった。

攻守のバランスがとれた開発体制へ

柚木氏の存在は、単なるスピードアップにとどまらず、現場のエンジニアにさまざまな面で新風を吹き込んだ。攻守の絶妙なバランス感覚もそのひとつ。
「私はどちらかと言うと攻めのアイデアをどんどん出すのですが、社内のエンジニアは、リスクから考える守りのタイプでした。そこへ柚木さんがちょうどいいバランスで入って。彼はリスクは考えつつも、悪い方向性では捉えず、いかに効率よく実現するかを考えるんです。『これを実現するにはこれだけ大変になる』ではなく、『これを実現するために工数100日と想定されるのを、これとこれを組み合わせたら、工数50日でいけるよね』と」
リスクを考えて立ち止まるのではなく、リスクを考慮したうえでアイデアを積極的に形にする、攻守のバランスがとれた開発体制が整い始めた。

有能な人材が、多様な働き方で能力を発揮できる場を作りたい

嶽本氏は、「長期的には案件の対応にとどまらず、ぜひ人材の教育面でも活躍してほしい」と、柚木氏に信頼と期待を寄せている。
「例えば社内でエンジニアが増えてきたら、社内の教育制度の整備や研修など、これまでのキャリアや人脈を活かして、育成側に回っていただけるようにしたい。柚木さんの存在が、より活きると考えています」
また、中だけで開発をしていると内向き目線になりがちのため、外部へのアンテナが立っている柚木氏には、外と内の架け橋として、今後も多面的にアドバイスをもらいながら魅力的な開発を続けていきたいと考えている。

柚木氏の活躍を起点に、既存の雇用形態にとらわれない形での採用活動にも取り組み始めたという同社。
「多様化するライフスタイルや、結婚・出産を機に現場から離れてしまう優秀な女性たちの能力を生かせる場を作っていかなければ、これからの時代、企業は淘汰されていくと思います」
会社の競争力を挙げていくためにも、これまでの企業にないさまざまな雇用形態に積極的に取り組んでいきたいのだと、嶽本氏は語ってくれた。時代の先を見据えた同社の躍進に、今後も目が離せない。