人事への転職を検討している方のなかには、「人事に強い転職エージェントを知りたい」「転職エージェントの選び方が分からない」と考えている人も多いでしょう。
転職エージェントの選び方を間違えると、思うように転職活動が進まず、ストレスが増える可能性を高めます。人事への転職を成功させるには、転職エージェントの特徴や選び方のコツを押さえて、自分に合ったエージェントを活用することが重要です。
今回の記事では、転職エージェントを選ぶポイントや、人事に強いおすすめの転職エージェント7選をご紹介します。各社の特徴を確認して、自分に合ったエージェントを見つける手がかりにしてください。
Contents
人事の転職に強いエージェント一覧
人事や採用などの管理部門に特化したエージェントや、大手求人サイトを運営するリクナビ・マイナビのように求人数の取り扱いが多いエージェントなど7社をピックアップし、それぞれの求人数や特徴を解説します。
エージェント名 | 人事の求人数 | 業界特化 | 特徴 |
---|---|---|---|
MS Agent | 2531件 | 〇 | ・経験者向け ・管理部門、士業特化型 |
リクルートエージェント | 14983件 | ✕ | ・未経験、経験者両方 ・リクルートが運営する大手転職エージェント ・求人数が豊富 |
JACリクルートメント | 326件 | 〇 | ・経験者向け ・外資系や海外進出中の会社などグローバル転職に強い |
マイナビエージェント | 947件(公開求人) + 472件(非公開求人) | ✕ | ・未経験者、若手人材向け ・充実したサポートが強み |
BEETAGENT | 492件 | ✕ | ・未経験者、経験者両方 ・転職度満足度が高い |
人事の転職 | 120件 | 〇 | ・未経験者、経験者両方 ・公開求人は少ないものの、人事職の理解度が深い |
人事の転職エージェントを選ぶ際のポイント
人事業界に転職する夢を叶えるには、適切に転職エージェントを選ぶことが重要です。転職エージェントを利用するときは、次に挙げる3つのポイントを押さえましょう。
求人数が多いか
転職エージェントを活用する際は、取り扱っている求人数が豊富なところを利用しましょう。求人数が多ければ応募できる企業が増えるため選択肢が広がり、自分に適した企業を見つけるチャンスも増えます。転職エージェントによって扱っている業界や求人数に差があり、業界特化型は扱う母数が少ないので、求人数も比較的少ない傾向にあります。複数のエージェントを活用し、応募できる求人数を増やすと良いでしょう。
業界特化か総合型か
転職エージェントは業界特化型と総合型の2つに大別され、自分のキャリア観に応じて使い分けることが転職エージェント選びのポイントです。業界特化型はすでに興味のある業界・職種が決まっている人におすすめです。一方で、業界・職種を限定せず広範囲にわたり情報収集したい人には、求人数が豊富な総合型が適しています。業界特化型のキャリアアドバイザーは業界への深い知識を持っており、現場のリアルな情報を得やすいのが特徴です。
担当エージェントの質が高いか
担当者との相性や質は、転職の成功に大きな影響を与えます。提案力や現場の理解度、自身のキャリア観に沿ったアドバイスをくれるかなどもチェックしましょう。実際に使い始めるまでは担当エージェントとの相性は見えてこないため、もし合わないと思ったら、遠慮せず担当の変更を申し出ましょう。
人事の転職エージェントおすすめ7選
本章では、人事業界の転職におすすめのエージェントを7社まとめています。
MS Agent
株式会社MS-Japan が運営している「MS Agent」は、人事・法務といったバックオフィスに特化しています。保有している求人案件は90%が非公開であり、MS Agentのみが扱っている求人が多いのが特徴です。
そのほかにも、求人案件のうち52%は年収500万円以上のものなので、キャリアアップを希望する方におすすめの転職エージェントと言えるでしょう。
リクルートエージェント
リクルートエージェントは就職や転職業界大手のリクルートが運営しています。コンサルタントの面談や、豊富な例文から簡単に職務経歴書が作成できる「職務経歴書エディター」といったサービスを受けられるのが特徴です。
2020年8月時点 の非公開求人は約100,000件と、転職エージェントでも最大級の求人数を扱っています。
JACリクルートメント
JACリクルートメントはハイクラス求人の転職支援に強みを持つ転職エージェントです。管理職となってキャリアアップしたい人や高収入を得たい人におすすめします。
転職支援実績は約43万人(1988年からの累計数)で、オリコン顧客満足度調査は2019年~2022年の4年連続で1位を獲得しています。外資系企業や海外進出中の企業などの求人を紹介してくれるため、世界で活躍したい方は、登録してみてはいかがでしょうか。
マイナビエージェント
マイナビエージェントは若手人材の支援に強いのが特徴で、未経験であってもキャリアアドバイザーから支援を受け、転職成功率を高められます。得意領域は広く、総合型の転職エージェントです。
転職したことがない人や、実務経験が少ない20代におすすめします。
BEETAGENT
BEETAGENTは全体の9割が非公開求人の管理部門に特化した転職エージェントです。ベンチャー企業やスタートアップ企業だけでなく、エンタープライズ企業の求人も保有し、ハイクラスへの転職も可能です。
綿密なヒアリングにより、自身の希望にフィットした求人を紹介してもらいやすいのも、大きな特徴と言えるでしょう。給与交渉も任せられるため、キャリアアップをしたい人も安心して活用できます。
dodaエージェント
全体の求人数は約10万件と、扱う求人数の多さが魅力なのがdodaエージェントです。スカウトサービスを提供していることや、キャリアアドバイザーと採用プロジェクト担当の双方から支援を受けられるのが特徴です。
未経験者から経験者向けの求人を保有しており、多くの求人から選びたい人におすすめします。
人事の転職
「日本の人事部」を運営している株式会社HRビジョンが提供している転職エージェントが人事の転職です。管理部門のなかでも、人事(採用、労務、制度、育成、総務)のみを専門に扱っているのが特徴です。
大手をはじめ、未経験やハイクラスの求人も紹介してくれます。求人数は若干少ないため、他の転職エージェントや転職サイトを併用しましょう。
人事への転職でエージェントを利用するメリット
転職エージェントを使うメリットとして、主に次の5点が挙げられます。
非公開求人も紹介してもらえる
1つめのメリットは、インターネットで検索できない、転職エージェントのみが保有する非公開求人の紹介を受けられることです。企業が効率的に採用を進めたいときや、事業戦略を伏せたい場合など、さまざまな理由から求人情報がインターネットに掲載されないことがあります。
自分では見つけられない企業を紹介してもらえる可能性もあるので、転職サイトと並行して転職エージェントの活用を検討するのがおすすめです。
履歴書や職務経歴書の添削をしてもらえる
コンサルタントやアドバイザーに書類の添削をしてもらえるのも、転職エージェントを活用するメリットの1つです。学生時代と違い、社会人になると書類の添削をしてもらう機会が減ってしまいます。
転職サイトを使って自分1人で転職活動をするよりも、書類選考の通過率を高めやすいです。
面接対策をしてくれる
転職エージェントを使うメリットとして、模擬面接などの対策ができる点が挙げられます。エージェントに面接官をやってもらい、質疑応答の練習をしておくことで、本番でもスムーズに対応しやすくなるでしょう。
面接は合否に直結する選考であり、入念な準備が転職成功へとつながります。
リアルな情報を教えてくれる
エージェントは企業側の情報を理解しており、その会社について現場のリアルな声を教えてくれます。残業の状況や社風、従業員の雰囲気など、求人票だけでは分からない情報を得られるので、入社後のイメージが持ちやすく、ミスマッチ防止に役立つでしょう。
給料交渉なども代行してくれる
プロのキャリアアドバイザー・コンサルタントに給料交渉を任せることで、年収アップにもつながるチャンスがあります。アドバイザーやコンサルタントは交渉のタイミングを熟知し、テクニックやノウハウを持った専門家です。
転職エージェントの活用はキャリアアップの夢を実現する有効な手段の1つです。
人事への転職でエージェントを利用する際のポイント
転職エージェントをスムーズに活用するために、下記の2点に留意しておきましょう。
エージェントを味方につける
転職エージェントとの相性は、転職の成功率を左右する重要な要素の1つです。転職エージェントといえど、相手も人間なので良好な関係を築いて損はありません。
他社エージェントとの進捗を共有し、連絡を密に取るなどして、キャリアコンサルタントと協力しながら転職活動を進めましょう。
転職エージェント・サイトは複数利用する
転職エージェントには強みのある分野やコンサルタントの質や相性があり、自分にマッチしないエージェントにあたる可能性も否定できません。1つの転職エージェントだけで活動するよりも、複数のエージェントやサイトを併用することで、魅力的な求人に出会う確率が上がります。
非公開求人は限られたエージェントだけが保有していることが多いため、少なくとも2~3社の転職エージェントに登録することをおすすめします。
人事の転職におすすめのサイト3選
ここからは、自分のペースで転職活動したい人や、転職エージェントと並行して求人情報をチェックしたい人向けて、おすすめのサイトを3つご紹介します。
転職SYNCA
転職SYNCAは経理、財務、人事労務、法務、経営企画といった管理部門に特化した転職サイトです。登録者は20代~30代が90%となっており、未経験者でも使いやすいのが特徴です。対応エリアが東京付近のため、関東圏への勤務を考えている人におすすめします。
Green
GreenはITやWeb業界に強い転職サイトです。IT・Web系の企業で人事として働きたい人は、登録してみると良いかもしれません。「気になる」機能やスカウト機能があるので、企業から直接アプローチが来ます。自身の知らなかった企業を知れるチャンスがあるので、転職活動をはじめたばかりの人にも使いやすい仕様になっています。
リクナビNEXT
リクナビNEXTは国内でも最大級と言われている大手転職サイトの1つで、株式会社リクルートが運営しています。公開求人数が多く、人事に限らずさまざまな職種や、大手企業をはじめとする中小企業の求人も豊富に取り扱っているのが特徴です。「オファーを待つ」機能を使えば、転職エージェントからのオファーを受け取ることもできます。
人事への転職を成功させる為にやるべき事
人事に転職する上で、最も重要なのは選考対策です。以下に挙げる4つのやるべきことを参考に、転職活動を進めましょう。
業務内容を深く理解する
人事への転職を成功させるには、人事の領域について正しく理解しなければなりません。人事の業務は、採用、労務、人材育成、人材評価など多岐にわたります。
全ての業務に携わるケースもあれば、一部の業務のみに従事することもあるため、応募するときは募集要項などを詳しく確認しましょう。
一貫性を持って志望動機を固める
人事の転職に限りませんが、選考を通過するには志望動機がブレていないことが大切です。志望動機が浅かったり、応募職種に合致していないと企業は採用したいと思いません。
企業研究と職種研究をしっかりと行い、応募先にマッチした志望動機を用意しましょう。ウソをついても見抜かれて信用を失うので厳禁です。
転職理由を固める
転職理由は必ず聞かれる鉄板の質問です。スムーズに回答できるよう、あらかじめ転職理由を固めて、繰り返し暗記しておきましょう。転職理由は、前向きで納得感のあるものを準備しておくのがポイントです。
現職の悪口や不満などはあまりおすすめできません。ステップアップや挑戦したい意欲などを伝えると好印象につながります。
エージェントなども利用して面接対策する
面接対策は家族や友人と行うよりも、転職のプロであるエージェントと実践するのが効果的です。第三者の専門家視点でアドバイスがもらえ、改善点を見つけられます。本番では緊張するあまり、上手く受け答えができないという人も少なくありません。
受け答えの精度を高めるには、練習が最も有効な方法です。最低でも1回は模擬面接を受けて、話し方や回答の内容に違和感がないかなど、エージェントに確認してもらいましょう。
【経験別】人事への転職を成功させるには?
人事へ転職したいと一口に言っても、未経験で人事へ転職してキャリアチェンジしたい人や、実務経験を積みキャリアアップをしたい人など、さまざまです。ここからは、経験別に分けて、転職を成功させるポイントを説明します。
経験者の場合
経験者は、特に以下の2点を意識しておきましょう。
- 交渉力
- トレンドなどの情報を収集する
即戦力を求める傾向にあり、未経験車よりも採用されやすい経験者は、自身の希望に合致した転職へつなげることがポイントになります。転職エージェントに給与交渉を任せられるとは言え、一定の交渉力を習得しておくと良いでしょう。適切に自身の能力をアピールし、交渉できれば、満足のいく契約へつながりやすくなります。
また、人事のトレンドは変化が速いので、日々情報収集して、変化に対応できる姿勢を身に付けることも大切です。人事の業務は幅広く、経験があっても自身のスキルが通用しないケースは珍しくありません。常に情報を集めておくと良いでしょう。
未経験者の場合
未経験者が人事への転職を成功させるには、下記の3点に取り組むことをおすすめします。
- 業務を広く理解する
- エージェントを最大限活用する
- 資格を取得する
人事の業務は幅広く、応募先の希望と自身の希望がマッチしていないケースも想定されます。イメージがズレていると書類や面接対策もズレたものになってしまうので、まずは仕事内容を正しく理解しましょう。
また、未経験者ではスキルがないため、経験者よりも書類選考や面接で通過できる確立が低くなりがちです。経験をすぐに積むことはできなくても、深い志望動機や面接の出来は前もって準備をすることで、精度を高められます。未経験者は特に、転職エージェントを上手く活用して、できる限り万全の状態で選考に臨むことがポイントです。
人事の求人状況や転職難易度
人事への転職をするにあたって、現在の求人状況や難易度といった全体の動向を知りたい人も多いでしょう。ここからは、人事の市場や転職への難易度についてお伝えします。
人事の求人状況や市場について
DODAが発表した情報によると、人事関連の求人数は増加する見込みとなっており、2022年下半期現在は売り手市場と言えます。さらに、マイナビAGENTでは下記のように述べ、大手企業は即戦力と経験の浅い層、ベンチャーでは経験者を探す企業が多いとしています。
上場企業では即戦力人材または若手ポテンシャル人材、中小・ベンチャーでは幅広い業務経験者を求める傾向が強いのが特徴です。
引用元: マイナビAGENT「業界ごとの転職市場の動向をチェック 管理部門」
人事の転職難易度
未経験からベンチャー・スタートアップ企業へ転職するのは難しいと言えます。成長に向け勢いが必要な企業では、即戦力が求められやすく、1人で多くの業務をこなすよう求められる傾向が強いからです。
人事は経営に関わる重要な業務のため、特に経験者を欲しがっています。経験者であればベンチャーに転職しやすく、未経験であれば難易度が高くなると考えてください。大手であればポテンシャル採用を積極的に行っていることも多いので、経験が浅くても採用される確率はベンチャーより上がると推測できます。
人事の転職に関するまとめ
今回は、人事の転職におすすめのエージェントを7社に厳選し、解説しました。未経験から人事へ転職する場合、どのようなスキルを身に付けるべきかなど、分からないことも多いと思います。多くの転職エージェントは無料で登録ができるので、まずは転職エージェントに登録してコンサルタントの面談を受け、自身のキャリアの棚卸をしてみてはいかがでしょうか。